義父に「出ていってくれ」と言われるも…
そんな日々が半年ほど過ぎたころ、佳子さんは突然、ピアノ講師の仕事を辞めた。そして、自宅の唯一の家財であるピアノを赤井の実家に運び込んだ。それは赤井の希望でも、赤井の両親の希望でもなかった。なにしろ赤井自身は仕事でほぼ東京にいたのだ。
赤井には離婚歴があった。
「“前に結婚していたとき、ウチの両親は同居したかったみたいや”と聞いていたんです。“じゃあ私が赤井と両親を喜ばせなきゃ”って思い込んで(笑)」(佳子さん、以下同)
当然のことながら、赤井の両親は困惑した。
「だって、突然知らない女の子がやってきて住み始めるし、しかもピアノまで家に運ばれてしまってね~(笑)」
毎朝、佳子さん宛てに赤井の父から“出ていってほしい”と書かれた紙が置かれた。
「でも私は“またまた、そんなこと言って~、アハハ”って、その紙を丸めて捨てていたんですよ。いま思うとそのときの自分、オソロシ~!」
やがて根負けした赤井の両親によって、佳子さん用の湯のみ茶碗と箸箱が用意され“お許しを得た”佳子さん。ほどなく妊娠がわかると、赤井の父が婚姻届を出し、2人はめでたく夫婦となった。ほぼ赤井不在の結婚劇だった。
秘めたる「ほっこりする願い」
そんな2人が連れ添ってはや30年。子らは自立し一昨年には赤井が所属事務所から独立。佳子さんが赤井のマネージャーとなり、家でも現場でも四六時中一緒だ。
「私は怒ることもある。でも赤井が食いぎみに謝るからケンカにならない。私が腹を立てたときの写真などをツイートしますが、後から見ると面白いんですよね(笑)」
いっぽうの赤井は佳子さんに秘めたる願いがあった。
「ボクはずっとお小遣い制。もちろん足らんときもある。そんなときは皿洗いや庭掃除で追加してくれてた。でもそれがいつの間にか僕の当番になっちゃったんですよ! 佳子ちゃん、ちゃんとお小遣いアップして~(笑)」(赤井)
だが家計や家事のすべてをこなす佳子さんは赤井にとって100点満点の妻だそう。
宇宙の渦に巻き込まれたような佳子さんの恋心は、時とともに尊敬の念と大きな愛情へと変化したと話す。
「赤井はいつも自分がいちばん大事。子どもにもそう教えています。自分を優先すると不満がなくて、相手にも優しくできるんですって」“見ていてハラハラすることもある夫”だが……。
「赤井はこの世に1匹しかいない動物。これからも全力で守ります!」(佳子さん)
赤井家には、ホッコリする愛があふれていた!