たしかに今、焼き芋は世間でちょっとしたブームになっている。そこに新たなビジネスチャンスを見出したということなのだろうか。現在の活動について詳しい話を聞くべく、3月下旬、都内を移動販売中のやまもとを直撃した。
――『週刊女性』です。
「あ、はい」
記者の名刺を落ち着いて受け取ると、丁寧に取材に応じてくれた。
――『やきいも劇場』のビジネスはいつから?
「去年の12月18日からですね。まだまだこれからといったところなんですよ」
焼き芋を買いに来るお笑い芸人たち
――焼き芋販売を始めたきっかけは?
「もともとはイベント会社の人たちと繋がりがあって、その方たちが山梨県の畑でさつまいもを育てていたんです。そこには以前から家族で芋掘りにも行かせてもらっていて、そんな付き合いがある中で“手伝ってくれないか”という話をいただきました」
縁あって企画段階から携わったという『やきいも劇場』プロジェクトには、芸人ならではのセールスポイントも。
「芋を焼いている間もしゃべったりしてお客さんを楽しませられるような『劇場』ということで、今自転車で移動販売しているスタッフはみんな芸人なんですよ。僕の後輩とか、小島よしおくんにも後輩を紹介してもらったりして。彼は、いい後輩を持ってますね(笑)」
――小島さん本人が来ることは?
「小島くんも、買いに来てくれたりしますね。まだ売る側に立ったことはないけれど“全然、立ちますよ!”とは言ってくれてるので、近々お願いしようかなとは思ってます」
――ほかの芸人さんも来られる?
「来ます、来ます! よく浅草のほうにも販売しに行くんですけど、浅草には劇場があるので芸人さんがたくさん来てくれるんですよ。けっこう買ってくれるし、ツイッターなんかで宣伝してくれたりするので、ほんと最高です(笑)。
この前は、ハマカーンが来てくれました。6月には東貴博さんたちが『熱海五郎一座』の舞台を新橋演舞場でやるので、そのときは東さんにうちの芋を買ってもらって、差し入れてもらおうかなと狙ってます(笑)」
クレープ店では成功を収めてきたやまもとだが、焼き芋販売はまったく異なるビジネスだと語る。
「焼き芋はクレープと違って芋そのものをシンプルに味わうものなので、その点は全然違うんですよ。産地やブランドによって全然違うから、実は奥が深い。世間では、まだまだ焼き芋が“大きくて安い”ものだと認識されていますよね。うちで出しているようなブランド芋は、一般的なさつまいもに比べると小ぶりな割に値段としてはそこまで安くない。でも、そのぶん本当に甘くて美味しいんですよ。
“え、こんな小さいの!?”と言う方もいるんですけど“一度騙されたと思って食べてみてください”と言って口にしてもらうと、けっこうリピーターになってくれたりするんです。“ブランド芋”のイメージを、もっと広めていきたいですね」