役者は死ぬまで、いずれは監督も

 目指す俳優像には亡き大杉漣さん(享年67)の言葉が影響している。

映画『教誨師』( '18年公開)に主演した大杉漣さんと試写会でお会いして“またやろうな”と声をかけてくれて握手をしてくれました。でも、その半年後に亡くなられて。

 新聞の訃報記事に大杉さんの“脇でも主役でもどっちでも大丈夫って気概がないといけない。そのなかでどうやって『大杉漣』ってものを残すかが大事”という言葉を読んで考え方がガラリと変わりました。

 中学生の僕は当時、大きな役をやりたいという思いが強かったけど、その記事を読んでからは大小問わずにどんな役でも印象に残る役者になりたいと思うようになりました。

 大杉さんの記事はいつも持ち歩いて、僕の原点でバイブルです。(『教誨師』で)共演シーンがなかったのが残念です。

 役者は死ぬまでできる仕事。いずれは監督もやってみたいです。監督をしながら演者もやりたい。この世界にはずっとい続けたいです」

 印象的な目力が一層際立った。

ガンダムと準備期間

 親の影響でガンダムと洋画好きに。

「子どものころから大好きなガンダムの世界観を、鉄道模型のNゲージに取り入れてジオラマを作るのが夢です。『グリーンマイル』や『羊たちの沈黙』が好きでレクター博士みたいな役を演じてみたいです」

 12月に20歳になる。

「大きな節目だと思っていて、いろいろな役を幅広く演じられるようになると思う。ひとり暮らしも考えていて、19歳はいろんなことの準備期間になると思っています」

『山歌(サンカ)』

 高度成長期の昭和40年。受験勉強のため東京から祖母の家がある山奥の田舎にやってきた則夫は、一方的な価値観を押し付けられ生きづらさを抱えていた。そんなとき既成概念にとらわれず自然と共生する流浪の民サンカの家族と出会い魅せられていく。
/杉田雷麟、小向なる、渋川清彦ほか出演/4月22日(金)よりテアトル新宿、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開/(c)六字映画機構

『山歌(サンカ)』(c)六字映画機構
『山歌(サンカ)』(c)六字映画機構
【写真】印象的な目力をもつ杉田雷麟