東京から伊勢神宮まで、約480キロメートルの“大移動”を終えてお疲れだったのだろうか。ご到着の約2時間前から待機していたという伊勢市在住の奥村律子さんは、こう話す。

待っている間、カメラワークの練習を何度もしましたが、何の前触れもなく、あっという間に通過されたので撮影できませんでした(苦笑)。でも、目に焼きつけられただけで十分です。秋篠宮さまは、沿道を覗き込むように身を乗り出しておられました」

秋篠宮さま、自問自答か

 この“スピード通過”にはとある事情があったという。

「名古屋のホテルに立ち寄った際、“不要”“帰れ”などと秋篠宮家に対する辛辣な言葉が書かれたうちわを掲げる人たちが沿道にいたのです。さらに、伊勢へ向かう道中には秋篠宮家に抗議する幟を立てていた人もいました」(前出・宮内庁関係者)

 これまで主にネット上だった誹謗中傷が、ついに“見える形”でご夫妻を襲ったのだ。

「昨年の秋、小室さん夫妻の結婚に反対するデモが行われましたが、国民から“直接的な攻撃”を受けて、ご一家への風当たりがいかに強まっているかを肌で感じたのでは……。ご心痛は計り知れません」(同・前)

 秋篠宮さまが参拝中に見せた浮かない表情は、“過激なアンチ”によるものだけではなさそうだ。

「伊勢神宮の祭主を務める妹の黒田清子さんとの面会に、秋篠宮さまは複雑な思いを抱かれたことでしょう。ご夫妻が伊勢神宮内で過ごす時間は長く、久しぶりにお会いになった清子さんとは当然、懇談されたはずですが……」(宮内庁OB、以下同)

'17年6月、上皇さまの姉・池田厚子さんから祭主を引き継いだ清子さん。代々、皇族や皇族出身者が務める祭主の活動は、神嘗祭や新嘗祭などへの奉仕や、今回の行事など多岐にわたる。

4月21日、伊勢神宮を後にされる秋篠宮ご夫妻を祭主として見送る黒田清子さん
4月21日、伊勢神宮を後にされる秋篠宮ご夫妻を祭主として見送る黒田清子さん
【写真多数】佳子さまがお忍びでダンス発表会へ、眞子さんと小室圭さん電車内での激レアツーショットほか

「元内親王として、皇室を離れた後も、お務めを全うしている実妹の姿をご覧になった秋篠宮さまは、胸が締めつけられたのではないでしょうか。かつては、上皇さまの初孫である眞子さんがいずれ祭主を引き継ぐことになるのでは、ともいわれていました」

 折に触れて伊勢神宮を参拝していた眞子さんは、周囲からの期待も大きかった。

秋篠宮さまは、“元プリンセス”の肩書を背負う妹と娘に大きな差を感じられたことでしょう。家庭内においても、清子さんは上皇ご夫妻のことを支えてこられました。皇室から逃げるかのように渡米した娘に思いを馳せ、“これでよかったのか”と、自問自答されたことは想像に難くありません」

 口を一文字に結び、参道を歩まれた秋篠宮さまの胸中は、いかに─。


山下晋司 皇室ジャーナリスト。23年間の宮内庁勤務の後、出版社役員を経て独立。書籍やテレビ番組の監修、執筆、講演などを行っている