実現してほしくなかった話も!?
これだけ多くの“予知”があると、実現してほしくない話もある。195巻('15年6月発行)の「3Dプリンター戦車の巻」では、3Dプリンターでレプリカを作り放題になったという話だ。
同巻がジャンプで連載されていた'14年5月、3Dプリンターで殺傷能力のある拳銃が作られていた。その銃を所持したとして、川崎市の大学職員(当時27歳)が逮捕されている。
こち亀連載当時は精度のほどがわからない時代。今は戦争に使えるほどの武器を作ることが可能になった3Dプリント。
現状では戦車そのものを製造するまではいかないが、製造した部品を集めれば、戦車などの武器になる状況だ。
実際におもちゃの小型戦車は実現している。また、車や住宅の製造までできるようになった。民間技術を軍事利用に転用すれば、戦車も製造できる日が来るかもしれない。
98巻('96年5月)の「電脳ラブストーリーの巻」では、ゲーム課金を紹介している。白バイ隊員が恋愛シミュレーションゲームをするためにパソコンを購入。ゲームのキャラクターと親しくなり電話番号ゲットに成功した。
しかし、隊員がクレジットカードのナンバーをキャラクターに教えてしまい、徐々に高額な商品をねだられる……。
恋愛シミュレーションゲームで課金が盛んになったのは2000年以降。『こち亀』ではそれ以前にゲーム課金が描かれていたのだ。
全201巻にわたって暮らしに役立つ発明を度々披露してきた両さん。当時は奇想天外だったものも次々に実現していくところを見ると、この先もっと予言的中率は上がるだろう。両さんの予言を発見してみませんか?
(取材・文/渋井哲也)