「私の育て方が悪かったのか」母が抱える息子への不安
「豊も本当に反省していて、最初から世間に向けて“謝りたい”とお願いしていたんです。でも、事務所は“絶対にダメ”だと……。実は契約解除のとき、書面が用意されていたんです。そこには“発生した仕事の違約金は豊が支払う”“今回の件について、いっさい口外しないこと”と書かれていたようで。豊も自分の責任だからと、ハンコを押したそうなんです」
つまり、解除時に事務所と結んだ“契約”により、何も発信できなかったというのだ。
「豊は事実が違うと言うつもりもないし、ただ謝罪したいだけ。でも、何度お願いしてもダメと言われ、いつになれば謝らせてくれるかも教えてくれない。もしかしたら豊が自ら命を……なんて想像もしてしまい、毎日不安で」
本人だけでなく、家族も苦しんでいたのだ。
「私の育て方が悪かったのかと自分を責めて、豊と電話で話せば責めてしまい、電話を切った後には自己嫌悪に。ただ、本当に情けなくって……」
なぜ万引きをしたのか。
「事務所と話し合い、卒業は円満に決まったはずでした。でも、実のところは怒っていて“アイツは裏切り者だから、絶対に許さない”と言っているなんて話が聞こえてきたようです。それが精神的に相当なストレスだったみたいで。ただ、どんな理由があろうと豊がしたことは許されないこと。今は、とにかく謝りたい。それだけなんです」
小林も、ケジメをつけねば新たな道も歩めない。そもそもこの“契約”は有効なのか。
労働問題に詳しい嶋崎量弁護士に話を聞くと、
「契約の効力がなくなる可能性は十分にあります。まず、契約時に小林さんが万引きをしたという負い目があったことから“力関係”を利用して、本意ではないのに契約させられている場合は、取り消せる可能性があります。そもそも彼に何のメリットもないのだから、真意で契約したとは考えにくいです。また、契約書の中身が、一方的に負担を押しつける内容であれば、公序良俗違反で無効になる可能性はあるでしょう」
事実確認のため小林の元所属事務所に問い合わせるも、
「退社したタレントについての発言は、差し控えさせていただきます」
との回答をするだけ。
そこで週刊女性は小林の母親に、本人への取材ができないか交渉していたのだが、
「豊には何も言わず、私が勝手に電話をしたこと。ごめんなさい」
と言う。真相はわからないままなのか─。
5月31日は『ボイメン』のリーダーだった水野勝が卒業公演を行い、ファンや事務所社長への感謝を口に。本当は小林も同じ日に卒業するはずだった。彼もどこかで旅立つ仲間の姿を見ているのか─。すると記者の携帯に“非通知”での着信が。
「あの……小林豊です」
本人からの電話だった。