県をまたいだバトルも
全国に目を向けると、隣接する県や県をまたいでのバトルも展開されている。
ソニー生命が昨年12月に発表した最新の「47都道府県別 生活意識調査」によれば、「自分の県のライバルだと思う都道府県」で、トップとなったのは東京。2位以下は福岡、大阪と大都市圏が続く。
特に目を引くのが、8位、9位に並んでランクインした島根、鳥取。お互いに意識し合う両県は、鳥取県民の74%が島根県をライバルと回答、島根県民の82%が鳥取県をライバルと回答していた。その理由は、「いつも間違われるから」(鳥取県の女性=30代)、「隣同士で、似たようなイメージだから」(島根県の男性=50代)って、コメントまで似通っている……。
「鳥取は全国で唯一、スタバがない都道府県として知られていましたが、'14年に1号店がオープン、'22年時点で4店舗に増えています。島根のスタバも同じく4店舗。地方民にとってスタバの数は気になるもので、都道府県内にある店舗数によって都会度を測るという見方もあるほど。
長野市では個人で5000人の署名を集め、スタバ出店にこぎつけた女性もいました」(田島さん)
地元民をよそに、市長が他県の都市に対抗意識を燃やすケースも。仙台市の郡和子市長は昨年2月、市議会の答弁で福岡市に対し「ライバル都市」と宣言したのだ。
福岡市を「アジアの玄関口として経済発展を続ける非常に勢いのある街」と評価、その動きを注視しながら、自身が束ねる仙台市は「国内の諸都市の中でも、競争に打ち勝っていくという強い覚悟を持つ」と意気込んだ。
田島さんが分析する。
「仙台市長の発言を受けて、福岡市長は“東京一極集中の次は地方拠点都市の時代だと思います。東西から日本を盛り上げましょう”と応えていました。
地方創生が謳われる今も東京中心主義は根強い。前述の調査でも、ライバル視されている都市の1位は東京でした。それがコロナを経てどう変化していくのか、注目していくとおもしろいはず。この先、意外なライバル都市が登場するかもしれません」