実家の父がひきこもりぎみです。たまには外に出たらいいと思いますが……。

 実家でひとり暮らしをする70歳の父。コロナ禍も重なってますます外出が減り、1日中、家でテレビを見たり、ベランダの花に水やりをして過ごしています。もう少し外に出たほうがいいと思うのですが、父になんと言葉をかけるのがよいですか?

鎌田's アドバイス

「ひきこもりは認知症のリスクを高めることをはっきり伝えてみては?」

 お父さんは家にひとりでいる生活に満足されていて、ご自身では充実していると感じられているようですね。でも、ひきこもって誰にも会わない生活は、認知症のリスクを高めることが医学的にも証明されているので心配です。運動不足も認知症になる確率を高めますから、まずウォーキングをおすすめしたい。それから僕の著書『認知症にならない29の習慣』をぜひ読んでもらいたいね(笑)。

コロナ禍でひとり暮らしが不安に。孤独死してしまうのではと考えると怖いです。

 5年前に夫と離婚をし、アパートでひとり暮らしをしている67歳です。パートも楽しく、週末には近くに住む実姉を訪れるなど、充実した毎日だと感じています。しかし、コロナ禍で誰にも頼れず苦しむ患者の姿をテレビで見てから、ひとりで住むことが不安になってきました。遠方に住む娘は「同居する?」と言ってくれるのですが……。

鎌田's アドバイス

孤独死は本当に不幸? 今が充実しているならその時間を大切に」

 永六輔さんは、生前に“大好きな旅の途中で野垂れ死にがいい”とユーモアたっぷりに言っていました。確かに生きているときが幸せならどこでどう死ぬかは二の次だと思います。だから孤独死=不幸ではない。患者さんで「意識がなくても救急車を呼ばないこと。私は人生に満足しているから、慌てないで」と書いて冷蔵庫に貼っている人もいますよ。生きているときの幸せを手放してまで死ぬときの安心を選ばなくていいんじゃないかな。