自律神経には、昼間の活動時に働く交感神経と、休息時に働く副交感神経があり、交互に働き続けている。スムーズに眠りにつくには副交感神経の働きを優位にしなければならないのだが、この副交感神経に嗅覚が重要な働きをするのだ。中でもラベンダーの香りが自律神経を整える働きをすることは、世界中の文献で証明されている。
「寝る前に自律神経のバランスを整え、副交感神経が優位になると、疲労感・不安・イライラを解消し、質の良い睡眠につながります。そして末端の血管が拡張して血流が良くなり、新陳代謝も活発になるので、肌の再生サイクルも上がり肌質の改善にも」(小林さん)
寝る前のアロマ活用は、ほかにも多くの女優やモデルたちが行っていて、北川景子や綾瀬はるか(37)がアロマ好きなのは広く知られている。モデルの森泉(39)は、眠る前にアロマディフューザーをたいて「香りをかいでリラックスしながら眠りのスイッチを入れていくと、質のいい眠りが得られます」と語っている。
「ラベンダーほどメジャーではありませんが、豊かな香りのローズオットーもおすすめ。月経前症候群や更年期による不調を緩和しつつ、穏やかに睡眠に導いてくれます。ヒバなどの香りは深い眠りを誘います。逆に柑橘系の香りは、交感神経に働きかけるので、活動的になる朝向き。夜のリラックスタイムには不向きな香りです」(小林さん)
寝苦しい夜は、まずは香りから気分を変えてみよう。
【解説をしてくださったのは…】
岩本麻奈先生
東京女子医科大学卒業、パリで抗老化医学、予防医学などを学ぶ。現在は最先端再生医療や美容医療に携わり、2021年より睡眠美容外来を開設。健康や美容のためにいかに睡眠が重要か啓発。主な著書は『睡眠美容のすすめ』など多数。
小林麻利子さん
睡眠改善インストラクター、SleepLIVE(株)代表。「美は自律神経を整えることから」を掲げ、睡眠に課題を抱える3000名以上の悩みを解決。監修した、眠りをサポートする天然製油100%のアロマアイテム『SLEEP STEP』発売中。