短歌や俳句に対する感性も関係
日本人のTwitter熱を象徴するのがジブリの『天空の城ラピュタ』がテレビ放送されるたびに起こる“祭り”である。
「物語終盤で主人公のパズーとシータが滅びの呪文『バルス』を唱えるシーンに合わせて、『バルス』と投稿することが定番になっています。ネット上では“バルス祭り”と呼ばれ、‘13年には世界最多記録となる1秒間に1万3199ツイートされました」(前出テレビ誌ライター)
こういった現象が起きるのは日本ならではの使い方が理由のようで――。
「日本と海外とでは、Twitterの使い方が異なっています。日本人は独り言のように投稿する使い方が目立ちますが、それは特殊で、海外ではユーザー間のやり取りが中心です。また、テレビを見ながらツイートするということに関して、日本は早くから盛り上がりを見せていたとTwitter社のバイスプレジデントが以前話していました。そういったことも影響しているのだと思います」(落合さん、以下同)
このような流れになったのはあるものの影響だという。
「‘08年に日本版のTwitterがリリースされた頃は、匿名掲示板2ちゃんねるの文化や流行が持ち込まれるということがありました。匿名掲示板はひとり言を書き込んで、誰か知らない人が突っ込みにくるといったような形。そこがスタートなので、ユーザー間のやり取りが中心の海外とでは使い方が異なっています」
常にトレンドをにぎわせるほど、日本人がTwitterに熱くなる理由は何なのか。
「日本語や韓国語、中国語では1投稿140字以内、それ以外では280字以内と限られていますが、漢字を組み合わせたり、言葉の裏側の思いをくむといったり、日本語では多彩な表現をすることができます。昔から短歌や俳句など、限られた文字数の中で人に思いを伝えることに関しては優れた感性を持っていたのだと思います。それが、Twitterの文字数の制限にハマったのだと思います」
日本の文化や感性が背後にある“ひとり言”が世界のトレンドとなっている。