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ー 広島市に聞いた取り壊しの理由

 

「プロ野球ニュースの時間がやってきました」

 カメラを見つめて、そうおどけてみせた吉田拓郎。7月21日に放送された『LOVE LOVE あいしてる 最終回・吉田拓郎卒業SP』(フジテレビ系、以下『LOVE×2』)での一場面だ。

「1996年から5年ほど放送された『LOVE×2』は、拓郎さんとKinKi Kidsの3人がメイン司会を務めた音楽バラエティー。年内で音楽活動を終了すると宣言している拓郎さんは、この特番でテレビ出演は最後になる予定です。キンキもデビュー25周年を迎えましたし、拓郎さんの引退も重なって“特別な番組”になりました」(スポーツ紙記者)

 拓郎のラスト番組とあって、豪華ゲストが勢ぞろい。

木村拓哉さんをはじめ、明石家さんまさんや、あいみょんさんなどが登場しました。過去のVTR映像では忌野清志郎さんや、志村けんさんの生前の姿も。当時は強烈なキャラで売り出していた篠原ともえさんも、すっかり大人の女性になり、昔を思い出しながら楽しんだ人も多かったのでは」(テレビ誌ライター)

 番組の終わりにはキンキの2人から花束を渡されたが、

「拓郎さん、花束に顔をうずめて泣いていましたね。いろいろな思い出が、頭をよぎったのでしょう」(同・前)

 1970年にデビューしてから『結婚しようよ』『今日までそして明日から』『落陽』などの名曲を残してきた拓郎。もうすぐ、彼が駆け抜けた52年が終わろうとしている─が、悲しい知らせはさらに続く。

「1968年、大学生だった拓郎さんが立ち上げた音楽サークル『広島フォーク村』の第1回コンサートが行われたのが広島市内にある『青少年センター』という施設のホールです。そこが近々取り壊されるそうで……。拓郎さんの“原点”ともいえる場所がなくなってしまうんです」(拓郎ファンの男性)

広島市に聞いた取り壊しの理由

『青少年センター』では、7月16日から2日間、『拓郎フェスティバルin広島』が開催され、全国の拓郎ファンが集結していた。同イベントの実行委員長だった白井千春さんに話を聞くと、

拓郎さんが音楽に目覚めた広島という地で、拓郎さんを愛する人たちが一堂に会する音楽イベントを行いたいと思っていました。出演者は計58組、観客も1000人を超える盛況ぶりでした」

 まさに拓郎ファンの“聖地”だが、どうして取り壊されちゃうの?

 同施設を管轄する広島市役所の育成課に話を聞くと、

「『青少年センター』だけでなく、同施設が所在する広島市中央公園内にある公共施設の老朽化が進んでおり、何らかの措置が必要になっています。今はどうするか検討している段階です。『青少年センター』も1966年に建てられた古い建物ですから、今のまま放っておくことはできません。時期は未定ですが、何らかの措置はあると思います」

 時代が変わっていく─。