「10代最後の映画で、初主演。20歳になって初めて公開される作品で、共演の福本莉子さんとは、去年のドラマ『消えた初恋』に続いてのご縁。いろいろなことが重なった、僕にとってターニングポイントになる作品だと思います」
映画『今夜、世界からこの恋が消えても』で主人公の高校生、神谷透を演じるなにわ男子の道枝駿佑。“セカチュー(『世界の中心で、愛をさけぶ』” “キミスイ(『君の膵臓をたべたい』”に続く、号泣必至の恋愛映画として注目を集めている今作。
「台本を手にしたとき、この作品に携われるのかと気合が入ったのと同時に、不安やプレッシャーも大きかったです。できあがった映画を事務所でマネージャーさんと一緒に見たんですが、泣きましたね(テレ笑)。もちろん、自分が出演している作品は、客観的に、厳しい目で見ますが、それでも感動しました」
みっちーの彼女になる3つの条件とは
クラスメートのいじめを止めるために同級生の日野真織(福本)に嘘の告白をする透。真織は、真実を知りながらも“放課後まで話しかけない” “連絡は簡潔にする” “お互いを本気で好きにならない”というルールを出し、「OK」と返事をする。彼女が3つの条件を出したのは、眠りにつくと記憶を失ってしまう、実在する難病の前向性健忘を患っていたからだった。
「透と僕の共通点は、人見知りではないけれど、自分からはガツガツいかないところ。似ていないのは、料理ができるところですね。僕はまったくできないので(笑)。
疑似恋愛から始まるふたりですが、透の飾らない優しさが真織の支えになって、逆に真織が自分の記憶と向き合うまっすぐな姿勢が透を支えてくれる。相思相愛になっていく関係性で言うと、僕を応援してくださるみなさんに喜んでいただけたらと力を尽くすことと、透が真織のために日々尽くしていくことが、少し似ているように思います」
デートを重ねるたびに距離が近づいていく透と真織。しかし、透はある秘密を抱えていた。映画の後半、ふたりが積み重ねた時間が奇跡を起こしていく。
特に印象に残っているデートシーンを聞くと、
「海辺で撮ったピクニックの場面ですね。一緒に砂浜を走ったりして。デートってこういう感じなんだなって、すごくドキドキしました。あとは、こんなふうにソフトクリームを一緒に食べてみたいなと思ったり(笑)。
透が真織に言う“明日の日野(真織)も楽しませてあげるよ”は、キュンキュンセリフですよね。自分が好きになった人が前向性健忘を患っていたら、同じこと言えるかな?と思います。ただ、透と同じで僕も彼女がしたいことは、ぜんぶ叶えてあげたい。もし、真織のように付き合う条件を挙げるとしたら“表裏がない” “常識がある” “一途”かな」