「絵は今日までで6枚売れました(8月3日時点)。私が今回やりたかったことって、実際に観ていただいて、欲しいって思ってもらうことだったんですよ。アートに興味がなくても、家に飾る場所がなくても、“買いたい”じゃなくても、“初めてアートを欲しい”と思ってもらえる場所が私の個展だったらいいなって。

 タイダイ染めもそうなんですけど、実際観てみたら“かわいいね”って言ってもらえると、やった意味があったと思います! 今まではオンラインショップで写真でしか判断できなかったものなので」

間を空けずに再び個展を

 さらにタイダイ染めのTシャツも数十枚売れている。タイダイ染めのTシャツは
 
「靴下は全種類買っていただいた方もいました。Tシャツはそのまま着て帰った方も(笑)」

 言葉を選ばずに表現すれば、彼女は芸術に関しては“駆け出し”に過ぎない。それでこの売れ行きは、かつて“ハロプロ”であり、そのファンが多かったとしても、このアートへの理解の薄い日本においては驚異的なものと言えないだろうか。絵は最安値で5000円。高いもので8万円だ。タイダイ染めのTシャツは1枚7000円、陶器(マグカップ・皿)は5000円となる。

 初個展でこんなに“売れる”と思っていた?

「いやぁ〜! 思ってないですね! アート作品としては相場として安いかもしれませんが、結構な値段だと思うので、それを買ってくださる方は“ここに1点しかないものだから”って、そう言ってくださることがすごく嬉しいですね」

 生活保護・自己破産からの復活。次なる目標は――。

個展はあまり間を空けずにまたやりたいです。自分がお客様に見せられるクオリティの作品を作り続けるということはモチベーションになりますし、今までにないものを作っていこう! って思える。また、自分はまだアート界というところに全然入っていけていません。調べてみると、“新人展”として出展作品を募集しているので、そういったところに挑戦していきたいです。挑戦して飛び込んでいかなくてはいけない世界だと思うので」

 前回のインタビューで大谷は、「生活保護は一生背負っていくもの。本当にすごく救われたし、その分元気に働いて社会に貢献していきたい」「やっぱり夢を諦められない」と語っていた。人は“諦めなければ”、また上を向いて夢を持って進んでいける。

“元ハロプロ”という枕詞が、いつか“芸術家”となる日は――。