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「あっ、ここや!」
「あそこに穴が開いとる!」
奈良市の銃撃現場から北に約90メートル離れた商業施設の立体駐車場の外壁に、3人連れの中年男性がスマホのカメラを向け、さかんにシャッターボタンを押していた。撮影しているのは壁に開いた小さな穴。肉眼でどうにか確認できるレベルで、ズームして撮った画像を見せてもらうと穴しか映っていない。
「現場に手を合わせてから、ここも撮影しておこうと思って。テレビで見たよりも小さい穴やった。画像は家族や友人に見せる用です」
と大阪府から仕事で来た50代男性は話す。
穴は銃撃事件による弾痕。奈良県警が7月13日に現場検証し、山上徹也容疑者(41)が手製の銃で撃った方角にある駐車場の壁面に3つの弾痕を確認した。銃は一度に6発発射される仕組みで、地上からそれぞれ約4メートル、約5メートル、約8メートルの高さから弾丸とみられるものが複数見つかっている。
多くの人が次々とスマホで穴を撮影
駐車場関係者によると、
「若い世代から高齢者まで次々と来てスマホで穴を撮影していきます。いまや観光スポット化してますわ。さすがに大騒ぎするような人はおらず、マナー上の問題はない。撮影するとみな満足そうに帰っていきます」
事件後、もうひとつ困った賑わいをみせているのがネット上の“陰謀論”だ。