夫>妻のパワーバランスを崩すためには

「調子に乗りやすいアスリート」はここ一番という時に力を発揮できるかもしれませんが、「調子に乗っている夫」が家にいると、「支える妻」の立場は弱くなります。「オレは金メダルに一番近いオトコだ、それにひきかえオマエは何だ」と言われてしまうと、妻は何も言い返せなくなってしまうでしょう。こうなると、「支える妻」は自分の存在意義を示すため、どんどん夫に尽くすしかなくなります。しかし、献身というのは数値化・現金化できるわけではないので評価が難しく、どんなに頑張っても、夫>妻というヤバいパワーバランスが崩せなくなってしまうのです。

瀬戸大也と馬淵優佳、幸せそうな家族ショット(馬淵のインスタグラムより)
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【写真あり】「この関係ゲロ吐きそう」瀬戸大也選手の不倫相手とされる女性のツイッター

 そんな関係をリセットするためには、「支える妻」が「自分の世界」を持つことが必要だと思うのです。馬淵サンの場合は飛び込みの元日本代表選手という輝かしいキャリアがあるわけです。これを逃す手はないでしょう。「そんなことをしたって、夫が急に変わるとは思えない」という人もいるでしょう。はい、そのとおりです。これは夫のためではなく、自分のために起こすアクションなのです。

 100円パーキングなど駐車場には、白線ラインが引いてあり、一人一人がそのラインからはみ出さずに駐車することで、駐車場全体の秩序が保たれています。テニスでダブルスをする際は、原則としてセンターマークを目印に、「そちら側のボールはあなた、こちら側は私」と“持ち場”を決めるはず。このように「線を引く」もしくは「境界を作る」と、自分の持ち場をしっかりやることになり、結果的に双方のメリットにつながっていきます。馬淵サンにとって、競技に復帰することは「境界を作る」ことにあたり、やってもやっても認められないという悪循環から抜け出せるきっかけになると思うのです。

 そうは言っても、日本は「夫や子どものできは、妻次第」「子どもは母親が育てるもの」という考えが強い国です。『東京スポーツ』8月6日配信の記事で馬淵サンの優勝を報じていますが、その記事の見出しは《馬淵優佳 夫・瀬戸大也、2人の子との時間を犠牲にしても…現役復帰を決めた理由》。同記事によると、お子さんはお互いのご両親が見ていてくれて心配はないそうですが、なんとなーく馬淵サンが「家庭をないがしろにしている」というニュアンスが含まれているように思えるのは気のせいでしょうか。これで試合の結果が悪ければ、「それ見たことか」と言われたかもしれませんが、優勝できた。

 馬淵サンは事務所にも所属してタレント活動もしていますが、「夫が不倫をし、メダリストの妻にもなれなかったが、自分が現役復帰したところ優勝してしまった」というパワフルでどこかユーモラスな感じは、タレント活動にもプラスに働くのではないでしょうか。