動物のプロを唸らせた3つの問い
成島先生によると、回答者に質問内容が知らされるのは放送前日が多いそう。1回の放送で3~4の質問に答える構成だが、最後の質問だけは当日に連絡してきたリスナーに直接答えることも。ぶっつけ本番で臨むわけだが、「コロナ禍前は、質問を伝えられるのはすべて当日の朝でしたから。心の準備ができるようになりました」と笑う。
そんな成島先生に、特に印象に残っている質問を3つ挙げてもらった。
獣医師・成島先生がセレクト!印象深い質問 ベスト3
Q. 生まれ変わったらあまりご飯を食べない動物になりたいです。どんな動物がいますか?(2019年1月4日放送)
Q. 人間より賢い生き物はいるの?(2019年4月27日放送)
Q. 犬にも右利き、左利きはありますか?(同番組から生まれたサイト『シチズンラボ』で調査中)
まずは、「生まれ変わったら、あまりご飯を食べない動物になりたい」という小学4年生の女子からの問いかけ。
「ナマケモノを例に挙げ説明しました。南アメリカにすんでいる動物で、木にぶら下がっていて、1週間に1回ぐらいしかウンチもおしっこもしない。あくせくご飯を食べることに一生懸命ではなく、エネルギーをセーブして生きている。最低限のもので命をつないでいければいいという選択をした動物だとお話ししたんです」(成島先生、以下同)
科学的な事柄について、小学生でもわかるように説明するのは至難の業。そのため、例えば「哺乳類」と言うのではなく「お母さんが子どもを産んで、おっぱいで育てる動物」と言い換えなければならない。さらに成島先生は質問の背景も想像する。
「なぜこんな質問をしたのかと聞くと“ご飯を食べたくない”って言うんです。スリムな体形が喜ばれる社会の風潮もありますから、ちょっと心配になりましてね。“科学的に考えるのはとてもいいことだけど、育ち盛りの時期なので、ご飯を食べて元気になってください”と伝えました」