この盛り上がりの裏で、やりきれない思いを抱えているドラマがあるという。現在放送中の『テッパチ!』(フジテレビ系)だ。
防衛省の全面協力でも……
「荒れた生活を送っていた主人公が、ひょんなことから陸上自衛隊の候補生に。そこから多くの仲間と出会い、友情を育んでいくというストーリーです。
この作品は、自衛隊の駐屯地や演習場でロケが行われたり、劇中で出てくる車両や装備品なども実際に使用しているものを貸し出すなど、自衛隊を管轄している防衛省の全面協力のもとで撮影されているドラマなんです」(テレビ誌ライター)
にも関わらず、初回の世帯平均視聴率は7.6%。これまでの平均でも5%前後と低空飛行を続けている。
「そもそも防衛省がこのドラマに協力したのは、自衛隊のPRにつながってほしいと考えてのことでした。ところが、フタを開けてみれば『テッパチ!』を見て自衛隊に興味を持ったという声はいまだ現場に届いていないそうなんです。
その一方で『トップガン』は興行的にも大成功で、結果的に自衛隊の宣伝にも繋がっていますから、やるせないですよね……」(テレビ局関係者)
エンタメ界でも日米の力の差を見せつけられてしまったかたちだが、前出の宇田さんによると、数字はあまり関係ないようだ。
「入り口がどうであれ、自衛隊に興味を持ってくれる人が増えるのはありがたいことです。私たちの活動は、災害現場などで国民を守るやりがいのある仕事。ドラマでも映画でもいいので、少しでも身近に感じてもらえたらなによりですね」
視聴率は“デンジャー・ゾーン”な『テッパチ!』だが、最終回まで前進し続けてほしい。