療養に入られてからの雅子さまのご体調は一進一退。参加を予定されていても直前に“ドタキャン”を余儀なくされることもあり、一部では“無責任”などと批判の声が上がることもあった。
「ドタキャンを避けるべく、少なくともこの10年間は、基本的に欠席を前提として、訪問できそうなら急きょ雅子さまもお出ましになるという“サプライズ出席”方式がとられていました」(同・記者)
ドタキャンできないプレッシャー
来たる10月1日に栃木県で行われる『第77回国民体育大会』については、体調に支障がなければ雅子さまも陛下に同行するといわれているが、
「雅子さまは“何が何でも出席したい”というお気持ちでしょう。コロナ禍の影響で、東京都外にお出ましになるのは実に2年8か月ぶり。地元住民や、お迎えにあたる関係者をガッカリさせまいという思いはお強いはずです」(宮内庁関係者、以下同)
国体と並ぶ四大行幸啓の『国民文化祭』は10月から11月にかけて沖縄県で、『全国豊かな海づくり大会』は11月に兵庫県で行われる予定だ。
「例に漏れず、両陛下そろってのご出席が予定され、ご宿泊を伴うスケジュールが組まれています。つまり、地方訪問が復活する“公務の秋”の皮切りとなるのが国体。何事も初めが肝心とはいいますが、まずは滞りなく、天皇ご一家のお出ましを“再始動”させることが目標です」
イギリスから帰国してわずか10日後、新たなる試練を抱えておられる雅子さま。
「公務に向けて数か月前から照準を合わせる雅子さまにとって、イレギュラーな海外訪問はご負担となりました。ただ、仮に国体を欠席されれば“イギリスには行けたのに”と厳しい声が上がるでしょう。ドタキャンできないプレッシャーと対峙する雅子さまが今、苦悶されていることは、想像に難くありません……」
前出の出口教授は、責任感が強くてまじめな雅子さまのご性格をこう分析する。
「“やればできる”と国民から期待されることが、雅子さまのストレスになりえます。適応障害の心理状態には波があり、現実的にはドタキャンされる可能性もある。ただ、それによって、ご本人の忸怩たる思いが再燃するのは避けたいところです。療養において、焦燥と不安は禁物。雅子さまの使命感をあおらないように見守るべきでしょう」
新時代の歯車は、少しずつではあるが、確かに動き始めている─。
山下晋司 皇室ジャーナリスト。23年間の宮内庁勤務の後、出版社役員を経て独立。書籍やテレビ番組の監修、執筆、講演などを行っている
出口保行 犯罪心理学者。東京未来大学こども心理学部長。これまで1万人の犯罪者・非行少年を心理分析し、多くの報道番組で解説を行う