2つのハッシュタグを見比べてみると……、
「話の辻褄が合わない、登場人物の行動が理解できないと『#ちむどんどん反省会』に共感する人は確かに多かったのですが、ドラマ肯定派の『#ちむどんどんする』を見てみると、そちらにも納得できる意見がたくさんありました」
実際に、「#ちむどんどんする」のつぶやきを見てみると、「#反省会」では批判されてる登場人物の言動にポジティブな反応が見受けられた。
《暢子は不安とか悲しみを表に出すのが苦手なんだと思う。その気持ちをぶつけるのが暢子の場合は料理なんだ。#ちむどんどんする》
《ニーニーが嬉しそうに電話で話してるシーンにめちゃくちゃちむどんどんしてしまって、自分こんなにニーニーの事が好きになってたんかと。そんなわたしの気持ちとは裏腹に非情にもガチャリと電話を切ってしまう暢子に笑ってしまった。 #ちむどんどんする》
《『正しいと信じることをし続けていれば、いつか答えは見つかるからよ』賢三さんのこの言葉がすごく好きだけど、人生では何が正しいか選ぶのに迷うときも間違えてしまうこともある。この作品は『いつでもやり直せる』とも伝えてくれてるのが優しいし誠実だなと思う#ちむどんどんする》
あれだけ人騒がせで、一発当てることに執着していたニーニー(竜星涼)が、養豚場で汗水滴し働き、父親にもなった姿を見ると、半年見続けた視聴者なら感慨深いものがあるだろう。その他、最終週にはこれまで暢子たちが関わった登場人物たちが勢揃いしてフィナーレを飾っている。
そして最終回では、令和の時代、おばぁとなった暢子たちの姿も描かれた。戦争ですべての家族を亡くした仲間由紀恵演じる優子が、娘や息子、孫やひ孫など、大勢の家族に囲まれ幸せそうに微笑む様子に、「#ちむどんどんする」には感動したという意見が集まった。そんな『ちむどんどん』について、ドラマ事情に詳しいフリーライターの田幸和歌子氏はこう語る。
「制作発表時のプロデューサーの意気込みが、視聴者を身構えさせてしまったのでは?と思います。SNSにもあったように前作の『カムカムエヴリバディ』と比較されてしまうことは、朝ドラではよくあること。ですが、それに対し、やや好戦的とも取れる意気込みだったので、それがなければもう少し見やすかったかもしれません。
一方で、同じ沖縄を舞台にした『ちゅらさん』や『純と愛』ではなかった、遺骨収集や沖縄戦など、沖縄が背負わされた負の面を描いた点は、朝ドラ史上ではとても意義のあることだと思います。その部分にたっぷり時間を割いてもよかったかもしれませんね」
批判も多い中、最終回までたどり着いた『ちむどんどん』。大きなプレッシャーを背負いながらも頑張った黒島を始め、俳優陣にはねぎらいの声をかけたい。彼女が女優として一皮向け、新たな一面を見せてくれる次回作を期待する。
NHK総合 月~土 8:00~8:15、12:45~13:00
(土曜は一週間の振り返りを放送)
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/chimudondon/
(取材・文/志村結衣)