有名人の田中聖ゆえに拡散スピードは段違い

 この『リベンジポルノ防止法』の量刑は、(1)の“公表”の場合は『3年以下の懲役又は50万円以下の罰金」(2)の“提供”の場合だと、「1年以下の懲役又は30万円以下の罰金」と定められている。なお、『リベンジポルノ防止法』については被害者の告訴が必要な“親告罪”のため、田中被告本人が捜査機関に刑事告訴する必要がある。

 拡散が止まらないこの状況を止めるには田中被告はどのような手続きを踏まなければいけないのだろうか。

「インターネット上に拡散した画像や動画を削除する方法としては、掲載されたサイト管理者に連絡し削除を求める、裁判手続に基づいて削除請求する等の手段があります。削除までの期間や費用は当該サイトや内容によって変わってきますが、数十万円単位の費用や、数か月から1年以上の期間がかかってしまうケースもあります」

 しかし、一度ネットに出回った動画を完全に消し去ることは難しいという。

特に、田中氏は有名人ですので、拡散の規模やスピードは一般人とは比較にならないと思います。現在の制度では、インターネット上に拡散された画像・動画を網羅的に削除する方法はないため、制度上・技術上の限界があるのも事実です

 初公判の人定質問で職業について聞かれた田中被告は、早口で「動画編集業です」と答えていた。しかし、一度出回ってしまった映像を修正し直すことはもうできない。