「それは三保の市民サービスセンターに設けられた給水所で起きたトラブルですね。近隣住民から“給水に来た車が路上だけなく、歩道にも駐車していて、大混乱になっている。自宅から車を出せない状態になっているので、なんとかしてほしい”という要請がありました。そこで交番の駐在員、本署の交通課など6人が出動して交通整理にあたったのです」(清水署広報担当者)
同センター職員によると、
「駐車場は満杯。周辺の道にずらっと車が縦列駐車で並び、最大で5時間待ちといった状態でした」(同センター職員)
確かに警察と住民が揉める一幕も目撃したという。
「言い合いになっていたので、駐車違反をとられたんだと思っていました。災害時ですし、給水に長時間並んでうっぷんが溜まっていたのでしょうが……」(同・職員)
「けしからん」清水署にクレーム電話100件!
だが、警察は“1枚たりとも駐禁キップは切っていない”と断言する。
「このウワサがたちまち広まって、“けしからん”“弱者いじめにもほどがある”などクレームの電話が100本以上ありました。取り締まりはしていないと釈明しても、“ウソをつくな!”と……。通常の業務に支障をきたすほどで、今も鳴り続けています」(清水署)
前出の書き込みをしたいくつかのアカウントに連絡をとってみるも返答はなく、給水所近辺で駐禁を切られた人を探すも見つけられなかった。
この災害には、SNS上でもうひとつ、疑惑が生まれていた。
《おかしい。清水区の被害状況が報道されない》
《9月27日の安倍首相の国葬があるから、報道規制が入っているの?》
清水出身の著名人を中心にまことしやかに囁かれていたが、実際はどうなのか。静岡市の行政関係者はこう話す。
「約50年ぶりの大災害だったので、現場は災害対応に追われていて、情報発信が追いつかない状態にあったというのが正直なところです。国葬といっても、現場は“えっ、今日だったの?”といった具合で、それどころではなかった」
いずれも、混乱が生んだ“デマ”だったようだ……。