岸田首相に対するイメージは……

 好き・嫌いのランキングを見ると、藤森慎吾(39)やペ・ヨンジュン(50)など、順位こそ違えど、同じ顔ぶれが両方に並んでいる。前出の山下さんは「好き・嫌いを判定する理由がメガネに集約されて同じ顔が並んだのでしょう」と分析する。

「回答者のみなさんは、今まで“なんとなく好き、嫌い”と感じていた有名人に対して、その理由をつけるためにメガネを利用したと考えられます。メガネはいちアイテムでしかなく、実際には『もともと好きだからメガネも似合って見える』『嫌いな人なので、メガネにもセンスを感じない』など、理由の前に感情が存在しています。

 例えば、嫌いなメガネ5位の岸田文雄首相には『冷たそう』(53歳)、『メガネの中で何を考えているのかわからない感じ』(59歳)という声が寄せられています。おそらく、彼が仕事で成果を上げているという印象を持っていれば『メガネ姿がクール』というプラスの解釈も出てきたはずです」(山下さん)

 そのほか、嫌いなメガネ有名人第2位の古舘伊知郎には「本人が嫌いなので、メガネもイヤになった」(50歳)という声も寄せられた。メガネを介することで、相手に対して抱いていた感情の輪郭がハッキリと見える結果になった。くしくも、メガネ本来の機能と同じ効果が得られている、と山下さん。こうも解説する。

古舘伊知郎
古舘伊知郎

「また、メガネとは別に、有名人に対して好き、嫌いを感じるときは『自分もああなりたい』という憧れが起点になっているケースが多いです。なので、メガネが似合っていると感じるなら『自分もあの人に近づけそう』という、ポジティブな感情を抱いています。

 一方、嫌いな場合は『あんなふうになりたいけど自分には無理』という諦めと嫉妬を感じている可能性が高いです。もしも読者の方が、好きだと感じるメガネ有名人がいるなら、そこには自分の憧れが含まれているのかもしれません」(山下さん)

 有名人たちのメガネは、見ている側の願望も映し出しているようだ。