40歳以上なら年に1回程度の定期検診を推奨。ただ、検診後の「要再検査」や「要精密検査」を放っておくケースも多いという。

「再検査がめんどくさい、もしくは結果が怖いという気持ちがあって未受診となるのかもしれません。しかし転移でもあれば一生抗がん剤治療の継続にもなりかねません。検診で見つかるのは幸運なほう、と考え受診をマストと思ってください」

精密検査を放置すると、取り返しのつかないことになるかも……
精密検査を放置すると、取り返しのつかないことになるかも……
【漫画で解説】“要精密検査”を放置していたら手遅れになる!?

知っておきたいお金の対策

 その一方で、やはりがんに罹患して、誰もが大いに気になるのは「お金」の問題。健康なうちに確認したいのは「保険」だ。

「健康診断で『再検査』や『経過観察』とされるだけで『がん保険』に入れなくなったりもします」と語るのは、さまざまな保険を扱うエージェントの神麻直樹さん。

 診断結果を見て「入りたい」ではもう遅い。「がん保険」の場合、加入からの待機期間90日がほとんどだから、契約が診断直前だったりすると、適用されないことも……。同じく後で「この保障内容をつけておけばよかった」と後悔する例も多いという。

 では、「がん保険」にはどのような保障内容があるのか。

がんの診断の一時金、入院や治療のお金が支払われるタイプ。そして双方に対応した複合型の3つが代表。難しいなどと思わず、まさに『備え』の感覚で、保険料が低い若いうちから一時金がもらえる保険だけでも入っておくと安心できるかもしれません」

 おすすめなのは保障期間無期限で、一時金をもらったあとでも再発で再度支払いがあるというもの。ただ、保険に入ったから安心というのも間違いだ。

「以前の『がん保険』では65歳以上になるともらえる保険金が半分になってしまったり、なくなってしまうものもあります」

 医療費が戻ってきたり支給される国の支援制度も知っておきたいところ。月の医療費が一定額を超えたときに超過分が返ってくる制度や、会社員や公務員の場合、病気やケガで働けない間に給与などの約3分の2が保障される制度などがある。

 ただ、どちらも自分から申請をしないと使えないこともあるので注意が必要。手術や抗がん剤治療など、罹患すると治療が長引くことの多い「がん」。だからこそ、「備える」ために「お金」にまつわる情報や制度を確認しておくことも大切になってくる。