第2位『フランダースの犬』 146票
第2位は、『フランダースの犬』。日本アニメーションが手がけた『世界名作劇場』シリーズのひとつで、'75年に放送された。
「まだ子どもなのに、たくさん苦労したネロが、最後に死んでしまうなんてあまりにひどい」(埼玉県・女性・46歳)
「すごく感動した最終回でしたが、やはりネロが死んでしまったことはがっかり」(宮城県・男性・54歳)
など、悲しすぎる結末を嘆く意見がほとんど。
「子ども向けの物語だからといって、必ずハッピーエンドで終わるべきでしょうか。アメリカのディズニー作品に見られるこのような傾向を、私はとても危惧しています」(大野先生)
童話の『ごんぎつね』や『人魚姫』など、必ずしも「めでたし、めでたし」で終わらない物語は昔から数多く存在した。
「この作品はアメリカでも映像化されていますが、なぜか最後にネロが生き返り、ハッピーエンドで終わるのです」(大野先生)
ネロがパトラッシュとともに天に召されるあの名シーンは、なんとアメリカ版では改変されていた!
「人生とは本来、思うに任せないもの。この物語は、それを子どもたちに教えてくれています。あのラストシーンだからこそ、歴史に残る名作になったのではないでしょうか」
と、大野先生。ハッピーエンドでなかったことを嘆く意見は、5位にランクインした『美少女戦士セーラームーン』や7位の『ベルサイユのばら』、ランク外の『魔法のプリンセス ミンキーモモ』にも見られた。
「この結果からもわかるように、切なくて悲しいビターエンドの物語のほうが、実は人の心には長く印象に残るんです。ハッピーエンドの物語の最終回は、意外と思い出せないものです」(大野先生)