「皇后陛下となられた今は、皇太子妃時代よりも責任が重くなると同時に、ご発言の影響力も大きくなります。プレッシャーもおありでしょうが、新たな視点から沖縄を見つめ、これからも寄り添っていただけたらと願うばかりです」

 皇室の方々にとって、沖縄は特別な場所だ。

“真の沖縄”を理解するという意味

「皇太子時代から計11回、上皇ご夫妻は沖縄を訪問されました。初訪問された'75年当時は、皇室に複雑な感情を抱く人も多く、『ひめゆりの塔』で“過激派”から火炎瓶を投げつけられる事件も。その日、上皇さまは“この地に心を寄せ続けていく”と宣言されました」(宮内庁OB)

 在位時最後のご訪問となった'18年3月には、与那国島に足を延ばされた上皇ご夫妻。戦争体験の記憶を次世代へ“継承”することにも尽力された。

「上皇ご夫妻のご意向により、陛下は物心ついたころから、沖縄について学ばれました。幼いころの陛下が沖縄を理解できるように、“本をご紹介ください”と、美智子さまから頼まれたこともあります」

『平和の礎』を訪れ、粟国さん(右)の説明を熱心にお聞きになった両陛下('97年7月)
『平和の礎』を訪れ、粟国さん(右)の説明を熱心にお聞きになった両陛下('97年7月)
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 そう話すのは、『全国豆記者交歓会』の代表で、'63年から計100回以上にわたり皇室ご一家と交流してきたという山本和昭さん(92)。

「両陛下は今回、沖縄本島をめぐられましたが、“真の沖縄”を理解するために、宮古諸島や八重山諸島、慶良間諸島などもご覧になっていただきたいです。離島には集団自決の跡地などもあり、本島とは異なる歴史が広がっています。両陛下にも、上皇ご夫妻のように足しげく沖縄へ通っていただき、深いところまで突きつめていただきたい。今回のご訪問は、そのスタートラインです」(山本さん)

 雅子さまの“慰霊の旅”は、始まったばかりだ─。