『何だこれは!』
バラエティー番組での太郎の決めゼリフでもあった。見開いた目で、時には怒ったように、時には笑いながら……。そのニュアンスは出会いの感動や「見知らぬものを見知った」という無邪気な喜びに近い。そんな、心が震えた瞬間瞬間を大切にしたい。
『たった一人だけでも、「ノン」という。時代に逆らう人間がいないといけない。』
(『デザイン批評』6号より)
太陽の塔も、巨匠・丹下健三の設計を半ば強引に変更させて作った岡本太郎。旧来の「こうあるべき」を徹底的に拒否し、常に何かとぶつかりながら瞬間を生き抜いた彼の足跡は、パブリックアートとして今も残り続けている。嫌なことには逆らう勇気を持ってみよう。
『イマジネーションによって宇宙と遊ぶのだ。』
(著書『壁を破る言葉』より)
「芸術は爆発だ!」の自らの解説として「全身全霊が宇宙に向かって無条件にパーッとひらくこと。それが爆発だ」と語っていた太郎。常人には想像もつかない感覚だが、自らの内包している宇宙と常に交信していたのだろう。今宵、あなたも空を見上げてみては。
『グラスの底に顔があったって、いいじゃないか。』
(CMより)
あるとき、ウイスキーのグラスをデザインした岡本太郎。「どんな物にも顔がある」と、静物に対しても独自の感覚で接し、その底には顔をあしらった。彼にこんなことを言われたらひと言「ですよね」と大納得するしかない。
『面白いねえ、実に。オレの人生は。だって道がないんだ。目の前にはいつも、なんにもない。ただ前に向かって心身をぶつけて挑む、瞬間、瞬間があるだけ。』
(『岡本太郎』平凡社より)
日本の新しい芸術を切り開いた岡本太郎の人生は、常に道なき道だった。しかし、その爆発し続けてきた結果が、今日の彼の評価につながっている……にしても、こんなことを言うおじさん、カッコよすぎである。あやかりたい!
「展覧会 岡本太郎」
[東京展]2022年10月18日(火)〜12月28日(水)東京都美術館
[愛知展]2023年1月14日(土)~3月14日(火)愛知県美術館
公式サイト:https://taro2022.jp/