水分は多量ではなく十分な量をとって
老廃物や毒素(有害物質)を体内にためないためには、便や尿の排泄が重要だということだ。
「腎臓は血液を濾過(ろか)し、毒素や老廃物、余分な塩分と水分を尿として身体の外へ排出する器官です。その尿からは毒素のうち20%程度が排出されるといわれています」
腎臓の働きをよくするためには、水分補給をこまめにするのが効果的。
「尿をつくるには水分を十分にとる必要があります。不足して脱水症状になると、腎臓に負担がかかります。ただし、水の1Lを一気飲みしたり、腎臓の処理能力を超える量をとることもよくありません」
おしゃれ女子の間で流行した、果物や野菜を水に入れた「デトックスウォーター」。こちらにも残念ながらデトックス効果の裏付けはない。
「水分をとるのは悪いことではありませんが、飲んだからといって身体の中からキレイさっぱり出るかのようなイメージを与えるネーミングには違和感を感じます」
水分をとる目安は、自然な喉の渇きに応じるのがベストだが、高齢になると喉の渇きを自覚しにくいので、意識してとるとよい、とのこと。
腎臓が十分に水分を排出できず、体内に余分な水分がたまってむくむこともある。
「医学的には浮腫(ふしゅ)と呼ばれています。夜に足がむくみやすいのは、重力の関係で身体の下にたまるため。筋肉量が少ない女性に起きやすく、ほとんどは問題ありません」
この水分には、細胞に栄養を送ったり、老廃物を除去する役割もある。
「本来はふくらはぎの筋肉がポンプの働きをし、血流を促して心臓に血液を戻します。動かない状態が続くと水分が滞るので、運動によってふくらはぎの筋肉を動かして予防を。ふくらはぎをマッサージすることでも改善が期待できます」
むくみに左右差があったり、熱感がある、皮膚が乾燥している場合は病的な可能性も。
「すねなど骨の上の皮膚を指で押し、凹み(圧痕)が40秒以上残るのは、少し浮腫が強い状態。慢性的にむくんでいると痕が残らないこともあります。さまざまな原因があるので、痛みがあったり症状が続くなら、医師の診断を仰いでみて」