容疑者は友人の家か、ネットカフェにでも泊まっていたのではないかというのだ。そんな中、自宅から36キロ離れた商業施設で事件を起こした。

「なぜあの場所にいたのか、まったく理解できません」

 容疑者がいなくなって2か月、両親は電話に出るのが怖かったという。

「自宅にかかってきた電話に出なかったこともありました。警察からではないかと思って……」

5年前にも起こしていた性犯罪

 それには、理由があった。実は佐野容疑者は5年前にも性犯罪で逮捕されていたからだった。

「2017年6月15日の午後10時35分ごろ、自転車に乗っていた佐野容疑者は平塚市の路上で、同じく自転車で帰宅途中だった高校2年生の女子生徒(16)に後ろから近づいて、下半身を触った。事件直後に女子生徒が同県警平塚署に被害届を提出。防犯カメラの映像で容疑者が浮上して、同年11月になって逮捕に至った」(前出・社会部記者)

 過去にも罪を犯していたのか、この犯罪で容疑者は2年間、刑務所に服役したという。悲痛な表情を浮かべながら、父親は、

「面会や差し入れにも行きました。“もう二度とやるなよ”とキツく釘を刺しました。でも、今回は面会もしません。もう、私たちは諦めきっていますよ。本当は被害者に謝って、慰謝料もお支払いしたいところですが、なにせ、私たちもその日暮らしで、精一杯ですから……」

 母親によると“父親は病気が深刻だ”という。