古紙の回収から70万円が

「牛乳パックを回収しようとしたら先輩に“触るな!”って言われて。理由を聞くと、いわゆる人間の“小”が入ってると……。毎回そうやって出すらしくて。トイレに行ってくれればいいのに……。怖くて謎だったのは電子レンジ。なぜか中に土が詰まっていました」

 いちばん重かったゴミは?

「大きくて重かったのは『大理石のテーブル』ですね。粗大ゴミで出たんですけど、大人3人でどうにか持ち上げられました。家の中からどうやって出したんだろう(笑)」
大量だったゴミは?

「大量で、かつ怖かったのが『こけし』、あと『注射器』ですね。こけしは呪われたりしないかと……。注射器は糖尿病の治療などでしょうか……。おばあちゃんが大量の『電動マッサージ器』を捨てていたのもありました(笑)」

実際に滝沢さんが回収したあまりに大量のこけしゴミ
実際に滝沢さんが回収したあまりに大量のこけしゴミ
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 いちばん高かったゴミは?

古紙の回収で、『へそくり』が挟まっていることはわりとあって、僕が聞いたのでいちばん高かったのは70万円というのがありましたね。お金は事務所に報告して処理します。銀行の明細もありました。パッと見たら預金が数千万円ってあって。こんな金額貯められる人の捨て方じゃないだろって思いましたね」

 お金持ちはゴミが少ない。きちんと分別されているといわれる。このようにゴミからは“人”が見えるという。

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「きれいに分別されたゴミから出てくるテスト用紙の点数は高い、もしくはテスト用紙が出てこないそうです。捨てるにしてもちゃんとシュレッダーにかけているからです。逆に分別されていないゴミから出てくるテストの点数は低いっていいますね。こないだウチの子どもは35点取ってきましたけど(笑)」

 清掃員としてゴミを捨てる人に対して思うことは─。

「ゴミの捨て方は地域によって違うし、多くの人はゴミについて学んだことがないから、みんな捨て方が独自ルールなんです。まずゴミというものは正しくはどう処理すべきかを知ってもらいたいですね」

 ゴミは燃やしても消えてなくなるわけではない。灰になって最終処理場にたまる。

「今、処理場はパンパンになりつつあって、日本全体で約22年後に“ゴミが捨てられなくなる”といわれています。だからこそゴミはどう捨てればいいのか、またどうするとゴミを少なくできるのか、みんなが考えなくてはならない問題だと思います」