同大からバスと電車を乗り継いで約2時間、同県長野市にある容疑者の実家を訪ねた。容疑者が小学校へ入学した頃に購入したという一戸建てだった。
帰宅してきた容疑者の母親に声をかけると、
「……いま、ちょっと忙しいので、申し訳ありません。すいません……」
と丁寧に対応してくれるも、取材拒否だった。
勉強もできたし、野球もうまかった
近所の住民はこう話す。
「父親は小児科専門医で、近隣の大きな総合病院の小児科統括部長さん。母親は元看護師で、職場結婚だと聞いています。
3人きょうだいの真ん中だった優志くん(容疑者)は幼少期から勉強もできたし、野球もうまかった。活発な子だったけど、そんなひどいことをするような子じゃない。どうして……」
実家の裏庭には練習用のネットが今でも残っている。
「優志くんが中学、高校のころは、夜になるとボールを打ったり、投げ込んだりする音が響いていました。すごく頑張っていましたよ」(同・住民)
母親は当時、容疑者の部活動の送り迎えに奮闘していたという。
「子育てにはとても熱心でしたね。それだけではなく、町内会の清掃イベントにも毎回、参加していた。きちんとしているし、人柄も良かった」(別の住民)
中村容疑者は地元の中学校を卒業後、東大、京大へ合格する学生もいるほどの県内随一の県立高校へ進学。そして父親の背中を追うように信州大学医学部へ入学したのだった。
「大学も退学でしょうし、医者への道も閉ざされてしまうでしょうね。お母さまがかわいそうですよ」(同・別の住民)
容疑者はどのような処分になるのか、信州大学に問い合わせてみると、
「警察の捜査の進展を待って、今後どのようにしていくのか検討していきたいと思っております。いまの段階ではなんとも……」(同大広報担当)
処分は未定とのことだが、被害女性の気持ちも察することさえできない人間であれば、もともと医者になる資格などあるはずがない。