よくあるお土産ガチャにしない
「“グッズにならないだろう”という視点は大切だと思っています。例えば、大宮には『大宮アルディージャ』というサッカーチームがあります。地元を代表する存在ですが、すでにたくさんグッズがある。でも、『珈琲館伯爵邸』や『大宮西口DOMショッピングセンター』はそうではない(笑)。よくあるお土産ガチャになってしまうと面白さが失われるので、その点も意識しています」
結果的に、唯一無二のグッズになるため、地元民は「手に入れたい」とガチャを回すというわけだ。
一方で、苦労がないわけではない。「第1弾は構想から発売まで約1年かかりました」と中島社長が打ち明けるように、難産の末に商品化したという。
「カプセルトイは子どもがやるものというイメージが強いので、オファーをしても『うちはそういうものにしてほしくない』と断られるケースが多かった(苦笑)。ですが、氷川神社さんがカプセルトイ化をOKしてくださって風向きが変わりました」
氷川神社がやるならうちも協力しましょう─。中島社長は、「地元のアイコンのような存在も大切です。氷川神社と伯爵邸が並ぶラインナップだからご当地感が出る」と声を弾ませる。
『大宮ガチャ』のヒットを受けて、アルシェのもとには、浦和や川越といった大宮以外の地域からも「ご当地カプセルトイも作ってくれないか」という依頼が舞い込んできたという。今では、大宮を含め7地域のカプセルトイを展開する。