紅白という存在がすでにオワコン!?
そして、歌合戦という構図に疑問を呈する読者も多い。
「男対女といったやり方に文句がくる時代に、これまでの対抗歌合戦ができるわけがない。歌合戦という形に縛らないほうがいいのでは」(福岡県・54歳)
「正直、もう『紅白』というスタイルで年末に競い合うというのがオワコンなのではないかと思っています。合戦とか中世の時代じゃあるまいし、もう役割は十分果たしたから、いらない」(北海道・62歳)
NHKにとっては、なんとも耳を塞ぎたくなる意見の数々……と思いきや、吉田さんは「こういう意見が交わされているうちが花ではないか」と総括する。
「『紅白』って、視聴者やメディアが作っているんですよね。メディアが取り上げなければ、『紅白歌合戦』はまったく盛り上がらないと思う。
“幽霊の正体見たり枯れ尾花”じゃないけども、よくよく『紅白』の正体を確かめてみると、民放の音楽特番と変わらないし、影響力があるコンテンツとも思えない。
私たちが特別扱いする限り、『紅白』であり続けるというか。だから、この記事にNHKは感謝しているんじゃないかしら(笑)」(吉田さん)
あーだこーだと話せるだけ、まだ魅力が残っているのかも。まったく話題にならなくなる前に、はたして『紅白』は復活するのだろうか……。
お話を伺ったのは……
吉田潮○よしだ・うしお○コラムニスト。医療、健康、下ネタ、テレビ、社会全般など幅広く執筆し、『週刊フジテレビ批評』のコメンテーターも務める。著書に『親の介護をしないとダメですか?』などがある
取材・文/我妻アヅ子