夜になると荷物を持った東出が小屋から出てきた。車を走らせて到着したのは、やはり近所の温泉施設。現在の生活について話を聞くため、車から出てきたところを直撃すると─。
「臆測で事実と違うことを書かれるのはイヤなので、きちんと自分からお話ししたい」
と翌日、週刊女性記者を改めて山小屋に招いてくれた。
─ここで生活しようと思った理由は?
「去年、狩猟の下見でこのあたりに来たときに車がパンクしてしまって。そのときにたまたま通りかかって助けてくれた方に事情を話したところ、空いていたこの場所を貸していただけることになったんです。ありがたいことにタダで貸してもらっています」
携帯電話の電波もつながらない
─かなり古い小屋のように見えますが、住みにくい部分も多いのでは?
「ここは携帯電話の電波もつながりません。トイレも汲み取り式ですし、電気は通っていますが、ガスと水道も通っていませんからね。布団もないので寝るときは寝袋を使うなど、確かに不便な部分もあります。ただ、役者でいるときは常に緊張の連続なので、ロケ弁も味がしないくらい追い込まれている状態のことも多い。でもここに来ると、食べ物もひとつひとつ美味しさを感じながら食べることができるので、僕にとってはここでの生活のほうが居心地がいいんです」
─主に狩猟で生活されているんですよね?
「僕がやっているのは“単独忍び”という1人で狩りをするスタイル。仕留めた獣は自らさばき、余った部分は食肉加工工場へ持っていって、ソーセージにしています。あとは近くで採れた山菜や、近所の方にいただいた野菜などを食べて生活しているので、食費も0円に近いですね」
現在住む山小屋の隣に目を向けると、建設中と思われる小屋が。
「将来的にはそっちの小屋に住もうと思って、1人で作っているところなんです」
と、笑顔で答えてくれた。
地域の猟友会メンバーや近隣住民からは“でっくん”と呼ばれているそうで、地元の人たちにも好意的に迎えられているようだ。