キャリアウーマンから新時代の皇后へーー。パンツスーツにハイヒール姿がお似合いの雅子さま。これまでに歩まれた平坦とは言いがたい道程をたどり、その時々のファッションから胸のうちを読み解くくと、令和の皇后陛下の“素顔”が垣間見えてくる。
今回は特別に愛蔵版写真集『雅子さま 麗しき愛と絆 30年の輝き』(主婦と生活社刊)に掲載された『“雅子さま流”ファッションで振り返る30年の軌跡』の記事を全文掲載する。
「雅子さまが歩まれた30年を振り返ると、ファッションが、その時々の胸のうちを推し測る“バロメーター”になっていたように思えます」
そう語るのは、雅子さまと同世代で、10年以上にわたり皇室を取材するフリーライターの佐藤あさ子さん。'19年6月、皇后になられてから初めての地方公務となった『全国植樹祭』のため、愛知県にお出かけになった雅子さまの装いは“新時代の皇后”を印象づけるものだった。
毎回異なる洋服でお出かけを
「上品なライトグレーに白のパイピングが施されたパンツスーツ。白と水色のバイカラーのハイヒールでJR東京駅のホームを颯爽と歩かれるお姿は、まさにキャリアウーマンでした。公務に出発されるときもスカートをお召しになっていた美智子さまとは異なる、“雅子さまらしさ”にあふれていたのです」(佐藤さん、以下同)
皇室に新しい風を吹き込まれた雅子さまのファッションを、写真とともに振り返ってみる――。
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《お妃候補・小和田雅子さん電撃浮上!》
『週刊女性』がそれまでまったく取り沙汰されていなかった女性外交官の名を報じたのは'87年12月のこと。
「ハーバード大学を卒業され、東京大学在学中に外交官試験に合格。'86年施行の『男女雇用機会均等法』が適用された“1年生”として外務省に入省された才色兼備の雅子さまは、多くの女性の憧れの的でした。
お出かけの際は、毎日違う格好で“いくつお洋服をお持ちなのだろう”と、不思議になるほど。お仕事柄、たくさんのお洋服が必要だったのでしょう。赤や青などのビビットカラーのお召し物は、着慣れていないと無理をしているように見えてしまいますが、雅子さまは決して服に負けていなかった」