「別に複数で来てもいいと思いますが、長い時間、友達と話しながら湯船に入っているのはやめてほしいですね。複数人でやってきて、風呂もサウナもずっと一緒に固まって行動する人たちも多い。そういったずっと一緒に連れ立って利用する人たちはネットで“ドラクエ行動”などと言われています。本当にドラクエのように4〜5人で並んでお風呂もサウナも入る。笑えますが笑えないですね」
どう見ても酔っている状態で訪れる人もいるという。当然、マナー違反であり、何より危険だ。
「本当にやめてほしい」店主の叫び
「自分は普段はサウナのない銭湯に行くことにしています。サウナがあるとどうしても“そういう人”に遭遇する確率が高くなるので。サウナがなければ“ブームな人”は来ないですから。ブームによってマナーの悪い人が増えたと言える一方で、ブームによってルールが厳しくなったとも言えると思います。
マナーの悪さとして例に上げた行為は大多数の人は守っている。マナーの悪い人が一部いるために銭湯側は“ルール”として貼り紙などで注意喚起をしたり、見回って実際に注意したりしている。そうせざるを得ないからです」
居合わせた客だけでなく、マナーの悪さには当然、店側も困っている。
「“石鹸の泡などが付いたまま湯船に入らない”などの最低限のマナーを記した貼り紙を貼っています。そのなかには“こんなのやる人いるの?”という項目も含まれていますが、実際にいるんです。代表的なのは“毛染め”ですね。家にお風呂がないのか、広い場所でやりたいのかわかりませんが、ときどきいるんです」
そう話すのは都内で銭湯を営む店主。
「染料なのでタイルやタイルの目地に色が付いたらなかなか落ちない。毛染めに使ったと思われるビニール手袋がゴミ箱に入っていたり。染料なのか別のなんらかのオイルなのかわかりませんが、ヌルヌルになって滑りそうにもなります。本当にやめていただきたい……」(銭湯店主)
昭和の時代は、銭湯でマナーを教える、それを守らない若者を怒るような“常連のじいちゃん”などがいた。
「自分は世代的に子どものときに父親であったり、銭湯にいた知らないおじさんに教えられたり、怒られたりしました。今はそういった人はいないですし、怒ったりしたら逆ギレされたりトラブルになってしまう。サウナであっても銭湯であっても、ブームは結構ですが、それを“煽る”側は、最低限のマナーも伝えてほしいですね」(前出・Aさん)
本当に“ととのう”べきは、利用者としてのマナーの精神かもしれない。