同局の“お昼の顔”として2023年1月にスタートした新番組『ぽかぽか』は、生放送のバラエティ番組だ。同枠で放送されたエンタメ系情報番組『ポップUP!』、そしてワイドショー色が濃かった『バイキング』や『バイキングMORE』とは別路線を走っている。
「そもそもフジのお昼といえば『森田一義アワー 笑っていいとも!』や『ライオンのごきげんよう』が象徴するように、バラエティ番組の方が馴染み深いわけで、そんな原点回帰や、裏番組との差別化を図るためにも時事ネタを一切取り扱わない(終盤のニュースコーナーを除く)方針を打ち出したはず」(前出・芸能デスク)
2014年に『いいとも』を引き継いだ『バイキング』も、当初はタレントや芸人が日替わりでMCを務めるバラエティ番組としてスタートした。ところが視聴率が振るわないと見るや、徐々に坂上忍をメインMCにしたトークバラエティ、そしてニュース討論番組へと姿を変えていく。
番組が根付くまで待てない
キー局の情報番組を手掛ける制作会社ディレクターが、その背景を代弁する。
「かつて視聴率をほしいがままにしていた時代を知る上層部は、今もなお数字に固執する傾向があるみたいで、新番組の低空飛行が続くと早々に“テコ入れ”を口にするそう。時にバイキングのようにうまく転ぶこともありますが、多くは早期の打ち切りになることも。
“番組が世間に根付くまで待っていられない”という印象で、制作側は常にプレッシャーを感じていますよ。片や、当初は“おもしろくない”との烙印を押されながらも、方向性を見失わずに番組を続けたことで結果を出したのがTBSさんの『ラヴィット!』だと思います」
TBS系の朝番組として2021年3月にスタートした『ラヴィット!』。お笑いコンビ『麒麟』川島明と田村真子アナが司会を務める番組は、それまで同枠で続けていたワイドショー路線から脱却した、ニュースを一切扱わない完全なるバラエティ。
しかし、同局にとって大きな“賭け”だったようで。
「前番組の『グッとラック!』が振るわなかったとは言え、主婦も多い“F2・3層”の視聴者が多い時間帯で、時事ネタを捨てることは勇気がいる決断だったと」(前出・ディレクター、以下同)