満島ひかりは事務所独立のモデルケース

 満島ひかり(37)も元ユマニテ。1997年に7人組ユニット「Folder」で歌手デビューしたが、売れず、2004年から本格的に女優業を始めるが、やはり芽が出なかった。

 活躍し始めたのはユマニテに移籍した2009年から。

「ウチでも獲得できたので悔しかった」(前出・大手芸能事務所幹部)

 そんな事務所は複数ある。その満島は人気絶頂期と言えた2018年3月に独立した。

 そのときも畠中代表は声明を出していた。

「更に素晴らしい表現者としての、満島ひかりの成長につながることを期待しています」

 だが、批判されたのは東出の時だけだった。

 満島と東出では経緯が異なるので、内容は違ったが、まさか偽りの声明を出すわけにはいかないだろう。ちなみに権利意識の強い米国では俳優もエージェントも自由に主張する。

 その後の満島の活躍は知られている通り。テレビ朝日系『未来への10カウント』(2022年)では天然気味の教師を演じ、日本テレビ系『初恋の悪魔』(同)では行き場のない少女たちを救う女性に扮した。

 各事務所から出る人が相次ぐようになったのは満島が成功してから。このため、独立のモデルケースと言われる。

 一方、東出は主演映画『天上の花』が一部地域で公開中。やはり主演映画『Winny』が3月に公開される。畠中代表の声明が自戒につながったのか、着々と歩みを続けている。

取材・文/高堀冬彦(たかほり・ふゆひこ)放送コラムニスト、ジャーナリスト。1964年、茨城県生まれ。スポーツニッポン新聞社文化部記者(放送担当)、「サンデー毎日」(毎日新聞出版社)編集次長などを経て2019年に独立。