プロデューサーとの3つの約束
仕事の依頼が入ると、浅田さんは必ず事前にプロデューサーに3つ
「ひとつはインティマシー・シーンでは俳優側の同意を得たことし
2つ目はいかなる場合においても前貼りをつけるということ。過去には性器を露出したまま撮影をしたケースがあったそうです。お芝居に没頭できないという理由だったそうですが、コーディネーターが入る現場では、それは認められません。
3つ目はインティマシー・シーンの撮影は、立ち会うスタッフやモニターの数を最小限に絞ってもらうこと。いわゆるクローズドセットと呼ばれる空間をきちんとつくれるかどうか。
これらをきちんと守ってもらう確約を得たうえで仕事に入るようにしています」
その後、入念な下準備に取りかかる。事前に脚本をもらい、書かれていることを正確に読み取る作業が始まる。
「シーンの説明について、台本には曖昧にしか書かれていないケースもあります。『○○と○○がそっと顔を寄せる』とか、『一夜を共にする』とか。それを映像化するためにはどのような描写が必要になるのか、ひとつひとつ明確にしていくんです。例えばキスは、突然のキスなのか、どのくらい時間をかけるのか、舌は入れるのか、積極的なのか、少し嫌がるのか、などを具体的に監督に確認します」
ベッドシーンは確認事項がさらに細やかに。
「布団の上で寝るのか、その際に布団は掛けるのかそれともはいでいるのか。下着はつけたままか全裸か。体位はどうなるのか。どこまで映像に映るのか……。ひとつひとつ確認して、今度は俳優のみなさんに、こういった撮影が行われるが大丈夫かという確認をします。俳優から、ここまではできないという戻しがあった際には、監督と相談しながら別案を提案することもありますね」