一方で、アンテナショップの新しい形を模索している自治体もある。兵庫県は公民連携型アンテナショップを実施。これは事業者などに対して県が店をアンテナショップとして協定を締結し認証するというもの。
また、富山県は来年春、石川県と福井県と“北陸3県合同アンテナショップ”を大阪駅近くに開設し、相乗効果により集客力を最大化しようとする動きもある。ほかにも、宮崎県はアンテナショップとして初めての海外進出を。2月9日に香港でオープンさせた。
新潟県の『表参道・新潟館ネスパス』は今年12月に営業を終了すると発表していたが、来年4月に銀座すずらん通りに後継施設をオープンする。こちらは面積を小さくすることで賃料を抑えることができ、アンテナショップが多い場所柄、相乗効果も期待できるだろう。
コロナ禍をきっかけに業態の転換期にきているアンテナショップ。各自治体の今後の戦略に注目したい。
前年度調査(2021年4月1日時点)以降に閉館・休館した店舗
福岡県 福扇華 休館
北海道 美瑛町 丘のまち美瑛 閉館
東京都 墨田区 産業観光プラザ すみだ まち処 閉館
福井県 坂井市 坂井市アンテナショップ 閉館
東京都・長野県 立川市・大町市 立川市・大町市観光情報プラザ「信濃大町アルプスプラザ」閉館(移転オープン)
木下斉(きのした・ひとし)●日本のまちづくり専門家。一橋大学院経営修士。一般社団法人エリア・イノベーション・アライアンス代表理事、内閣官房地域活性化伝道師。新語・流行語大賞「IT革命」、咢堂ブックオブザイヤー2018など受賞
(取材・文/竹腰奈生)