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「まったく知らない。見たことない」
容疑者と同じマンションの住民のほとんどがそう答えたが、ただひとりだけ、
「母子で一緒に、仲よく手をつないでいた」
というが、その姿を見たのはおよそ1年前だという……。
21日、神奈川県警は母親の田代芽衣容疑者(27)を傷害致死の疑いで逮捕した。容疑者は昨年の4月22日ごろ、神奈川県藤沢市にある自宅マンションで息子の空来(そら)くん(当時2)の頭部に暴行を加え、搬送先の病院で頭蓋内損傷によって死亡させたというもの。
「当時、田代容疑者はみずから“(息子が)急に具合が悪くなった”と119番通報していますが、医師の鑑定などから、故意に暴行した疑いが浮上。容疑者は否定したが、捜査一課が捜査を続けていたところ、複数の専門家が虐待による乳幼児頭部外傷(AHT)を指摘して、逮捕に至った」(全国紙社会部記者)
警察の取り調べに田代容疑者は「納得できません」と容疑を否定しているという。
出産直後に児相からネグレクトの判断
実は空来くんを出産した直後に、田代容疑者は児童相談所からネグレクト(育児放棄)の判断を受けていた。
「当時、容疑者は平塚市に住んでいて、児相は空来くんを2年以上も一時保護していた。しかし、事件の1か月前、田代容疑者が藤沢市に引っ越した際に、児相が一時保護を解除して空来くんを容疑者のもとへ戻してしまった。児相の失態ともいえるでしょう」(同・社会部記者)
築18年、家賃月10万円ほどのマンションに、シングルマザーとして空来くん、女児の3人で生活していたというが……。捜査関係者によると、
「容疑者には複数の交際相手がいて、みな“子育てをしていなかった”“育児を拒否していた”と証言している」
なぜ我が子を殺めるような悲惨な事件を起こしたのか、容疑者の背後を追った。