自民党・萩生田光一政調会長の少子化対策をめぐる発言に批判が殺到している。2月23日にさいたま市で開かれた自民党の会合(自民党埼玉県連の統一地方選挙出陣式)で、萩生田氏は「児童手当の所得制限撤廃よりも、新婚世帯への住居支援が必要だ」との考えを示した。
会合で挨拶した萩生田氏は、新婚世代に全国の公営住宅の空き家を貸し出しやすくする制度を提案し、「明日からでも(公営住宅の空き家)20万戸を新しい家庭の皆さんに提供することもできる」と主張した。さらに「1500億円あるんだったら、そのときに(公営住宅の)畳やお風呂やトイレを新しくしてあげたいな」と続けた。
1500億円というのは、児童手当の所得制限を撤廃する場合に必要とされている追加の財源の金額だ。別途検討されている、支給対象年齢を18歳まで引き上げとなるとさらに財源がかかる。ネット上では、萩生田氏の発言の“新婚世帯への住居支援”という部分については〈経済的不安を抱える夫婦には多少なりとも効果があるかもしれない〉と理解を示す声があるものの、「1500億円あるんだったら、畳やお風呂やトイレを新しくしてあげたい」発言には非難轟々だ。
〈(岸田総理が掲げた)異次元の少子化対策とは程遠い〉
〈畳やお風呂やトイレが新しくなったところで、少子化対策になるとは思えない〉
〈昭和建築の団地に住みたくない人だっているだろうし、そもそも公営住宅がない地域の人ははなから対象外〉
〈公営住宅が古いなら、普通に予算かけて新しくしなさいよ〉
〈素直に所得制限を撤廃しろ〉
現金給付では特定の業界を優遇できない!?
こうした厳しい批判が噴出しており、〈リフォーム業者を挟んで中抜きする気か?〉と疑う声まで寄せられている。
なかには、〈お肉券を思い出した〉という声もあった。2020年春、新型コロナウイルス感染拡大の経済対策として、「お肉券」や「お魚券」といった商品券を発行する構想が自民党農林部会や水産部会から打ち出され、やはり〈素直に金を配れ〉と批判が続出。日本維新の会・松井一郎氏(当時、大阪市長)も「特定の業界が良い思いをするだけだ」と指摘していた。