当時の人気バンドを前に「私も歌いたいの」と
「アルバイト先の喫茶店は関帝廟の近くにあって、そこの常連客だったのがC.C.O(獅子王)。当時横浜のディスコで人気を集めていたバンドで、彼らが演奏するとお姉さんたちがキャーキャー黄色い声で騒いだものでした。
C.C.Oが店に来たときのことです。『私も歌いたいの』と彼らに言ったら、『へー、何が歌えるの?』と、ちょっと小ばかにした返事が返ってきた。今振り返ると、私もいい度胸だったと思います。
『えーっと、アース・ウィンド・アンド・ファイアーかな』と言って、その場でサビを歌ってみせました。まったくのハッタリだったけど、『じゃあ歌ってみなよ』なんて言われたら、こちらも屈するわけにはいきません。楽曲は忘れもしない、『リーズンズ』です。
歌ってみせたところで、向こうは『ふーん』なんて感じでしたけど。彼らはプロのバンドで、16歳の素人の小娘に対して当たり前の反応です」