いつでも気軽に座ってできるヨガ
仕事中に、家事の合間に、テレビを見ているときに。イスに座ってできるポーズは気が向いたときに手軽にできるものばかり。
身体を動かしたり伸ばしたりしたときの心地よさで気分もスッキリ。
指先集中のポーズ
・ふさぎがちな気持ちを改善
1. 顔の正面に人さし指を立て、ゆっくりと右に移動させる。このとき、顔は固定したままで指先を目だけで追う。
2. 指が視界から消えたら、次は左にゆっくりと移動させ同様に目で追い、正面に戻る。自然な呼吸で、これを5往復行う。反対側の手の指でも同様に行う。
上半身を回転
・体幹に刺激を与える
1. イスに座り、太ももの上に手を置く。
2. 鼻で呼吸をしながら胸で円を描くように上半身を左方向へ、次に右方向へ回す。1呼吸(吸って、吐く)に1回のペースで左右に10回回す。
上半身ひねりのポーズ
・おなかまわりの筋肉を刺激
1. イスの背もたれが横にくるように座る。
2. 背もたれを両手で持ち、鼻から息を吸って背すじを伸ばす。息を吐きながらできる範囲で上体をひねる。
3. 息を吐ききったら鼻から息を吸いながら上体を戻す。これを5回繰り返す。同様に逆向きも行う。
両腕回し
・胸を開いて深い呼吸に
1. 両ひじを曲げて指先を鎖骨に軽くあてる。
2. 鼻から息を吸って、ひじを前に持ち上げ、息を吐きながら前から後ろに肩を大きく回して1に戻る。1呼吸(吸って、吐く)に1回のペースで5回回す。逆回しも同様に行う。
がんヨガ指導:岡部朋子(日本ヨガメディカル協会代表理事)
体験者の声
1. K・Nさん(53歳)「張りつめていた気持ちが楽に」
ヨガに出合い「頑張らずに、今できるところまででいい」と言ってもらい、告知からずっと気を張りつめて頑張っていたことに気づきました。
抱えていたものがスッと軽くなったことを覚えています。ヨガは今のままの自分でいいと教えてくれる大切な時間になっています。
2. S・Yさん(47歳)「がんになった自分を許せる気持ちに」
「病院に頼りきりにならず、自分でも何かしよう」と始めたのがヨガです。ヨガをすると、張りつめていた気持ちが解きほぐされていくのを感じました。
しだいに、がんになった自分を許せるようになり、心にあった重りも徐々に消えていきました。
がんヨガの心得
心得1 できる範囲で気持ちよく
心得2 静かな環境で照明を暗く
心得3 毎日やらなくてもOK
心得4 偏らずいろいろなポーズをやってみよう
(取材・文/熊谷あづさ イラスト/赤松かおり)