学び舎から巣立つ卒業式が全国各地で真っ盛り。芸能人たちの卒業式も昔はテレビのワイドショーやスポーツ紙、週刊誌で報じられていたが、すっかり姿を消した。
制約が増え取材をしなくなった「芸能人の卒業式」
「ワイドショーは20年以上前から取り上げなくなりました。理由は、さまざまな制約に報じる意味がなくなったことが一因です」
こう語るのは、芸能リポーターの城下尊之さん。
かつては芸能人やタレント本人だけでなく、その子どもの卒入学式を取材していた。
城下さんによると、山口百恵さんの子どもの入園式を巡って追っかけ取材をするマスコミとトラブルになったことをきっかけに、徐々に学校を特定しない、同級生や保護者が映り込まないようにするなどの制約が増えていったという。
「卒業式の全体を見せて、そのなかで(取材対象の)芸能人が校歌斉唱や卒業証書を授与されているところが撮影できないのであれば、あまり意味がない。本人が校門の前で記念撮影をしている映像だけでは放送に適さなくなったというのもあります」(城下さん、以下同)
芸能人といえば“堀越高校”
卒業式といえば堀越高等学校が知られる。堂本剛(43)、岡田准一(42)、松本潤(39)、生田斗真(38)、山下智久(37)らジャニーズの人気アイドルをはじめ深田恭子(40)、蒼井優(37)、長澤まさみ(35)らがいる。
「堀越は芸能コース(現・トレイトコース)があり、在籍している生徒の取材なので学校側も対応できることや本人はじめ同級生も芸能人なので映り込みへの配慮が必要ない。また、学校、本人共にPRになっていた側面もあったと思いますが、今では効果がなくなっていると思います」
芸能ニュースのひとつだった出産会見や赤ちゃんのお披露目もなくなった。
「本人がプライベートを出したくないことや子どもを顔出しすることで影響を受ける可能性も高い。そのため現在は最小限の誕生データにとどまっています。
出産で体形が変化することもあり、女優やタレントのなかにはイメージを守りたいというのもあります。
時代の変化もあってSNSで発信する芸能人も多い。かつてのように芸能人のプライベートに興味を持つ視聴者やファンも少なくなっているんだと思います」
2003年には個人情報保護法が施行された。
「卒業式や出産はプライベートな部分。個人情報保護法の前からワイドショーは取材を控えていた。施行によってスポーツ紙や週刊誌も芸能人の個人的なニュースを執拗に追いかけることをしなくなっているのが現状です」(スポーツ紙記者)