訴訟は「社長と綾野」ふたりで進めて

 今回の訴訟にはこのような経緯があったのだ。

 2月8日、綾野が訴えに出たと知ったガーシー容疑者はSNSの生配信で、「剛、ちゃんと分かっとけよ!裁判するということは裁判所に出てきて、テレビのカメラが入っている前で、オレとケンカせなアカンということや!」と吠え、宣戦布告していた。現在のガーシー容疑者に当時の勢いはなさそうだが、なぜリスクが大きい訴訟に踏み切ったのか。黙っていればよさそうなものだが……。

本当は綾野さんは告訴などしたくなかったようです。今年の元日に女優の佐久間由衣さんとの結婚も発表しましたし、いまさらいろいろ蒸し返されたりするのは嫌だったと。告訴を主導したのは事務所の社長だといいます。自身も社内事情などについて暴露を食らっただけに、“なんとかしたい”という思いが強かったそうです。自分が訴えるだけの条件がそろっていなかったため、綾野さんを立てたと」(芸能プロ関係者)

 また、綾野の所属事務所に近い別の芸能プロ関係者もこう語る。

事務所のなかでは今回の訴訟の件について知らされている者はほとんどいない。社長と綾野さんがふたりで進めていることみたいですね

『週刊文春』(3月23日号)の報じたところによれば、綾野は関係者の取り調べに対し、「絶対に(淫行は)やっていない」と答えているという。記憶にないかつ、泥酔していたなら“機能不全”であると主張しているというのだ。『デイリー新潮』(3月22日配信)でも、綾野が事実無根を訴えていること、警察の事情聴取にも応じているとの知人の証言を掲載した。「刑事裁判が始まった暁には“逃げも隠れもせず堂々と証言する”と覚悟を決めていますよ」と。

 また、『週刊女性PRIME』が昨年12月に配信した記事では元NMB48のアイドルが40代の実業家と不倫関係であると写真つきで報じている。ガーシー容疑者のいるドバイに向かうための渡航費もこの男性が出したのだという。彼女は現在、当時運用していたインスタグラムも閉鎖し、完全に人前から姿を消している状況のため、法廷に立って証言する可能性も少なそうだ。

 裁判の今後についてテレビ局の報道記者はこのように話す。

裁判の状況になればまず東谷さんは綾野さんの淫行について事実と主張すると思われます。しかし、争点は淫行が事実かどうかではなく、脅迫や威力業務妨害があったかどうかなので間違いなく罪に問われるでしょうね

 あとは司法の判断を仰ぐのみ。

<芸能ジャーナリスト・佐々木博之> 宮城県仙台市出身。『FRIDAY』で取材活動をスタート、記者歴37年のなかで数々のスクープを手がける。現在はテレビ・ラジオ番組などでコメンテーターとしても活躍中。