令和の教育現場に潜む問題点とは?
今をときめく面々が名を連ねたランキングだが、昭和、平成、令和の「理想の先生像」に違いはあるのか。
「昭和から平成中期にかけては、情熱的に接してくれるかが評価されていた印象です。例えば、過去の調査では、金八先生でおなじみの武田鉄矢さん、松岡修造さんやプロ野球監督時代の故・星野仙一さんらがランクインしていました。
ただ、平成後期から現在にかけては熱血指導だけではなく『論理的』であるかどうかも求められるようになった。今回の結果で、イチローさんが上位に入ったのはその理由が考えられます。
また、ネットやSNSなどの普及により、日本人全体の趣味嗜好が細分化しているのも現代の特徴といえます。HIKAKINさんならば『YouTubeを』、阿部さんならば『勉強を』と、子どもたちに限らず、個々の興味に沿ったものを教えてほしいと願う人たちが増加傾向にあると考えられます」
では、保護者側はどんな有名人に先生になってほしいのか。2021年3月に日本生活協同組合連合会が発表した「子どもの担任になってほしいと思う芸能人」では、1位に天海祐希、2位に櫻井、3位に武田鉄矢がランクイン。
「指導者として“しっかりした教養があるか”も現代ではより重視されています。そういう点では、今回のアンケートを保護者側で取った場合、池上さんのランクアップ、林修さんのトップ10入りもあるのでは」(石渡氏)
時代ごとに変化してきた理想の先生だが、実際の現場では教員不足が年々と深刻化。文部科学省によると2022年の公立小学校教員採用試験の倍率が2・5倍と過去最低を記録した。