『プチ蒸発』を楽しむコツ

宿泊先は大型旅館よりも10~20室前後ぐらいの小規模旅館がオススメです。悪天候や体調不良など、旅にちょっとしたハプニングはつきもの。ご主人や女将さんの目が細やかに行き届く小規模の宿のほうが、女性のひとり旅には安心といえますね」

 旅先での温泉ごはんも『プチ蒸発』の醍醐味のひとつ。4月6日に『温泉ごはん 旅はおいしい!』(河出書房新社刊)を出版する山崎さんに、温泉グルメの楽しみ方を聞いた。

「温泉グルメは、旅館自体の名物料理、その地域のハレの膳、そして地元の方が日常的に食べているソウルフードの3つに大別できます。その旅館でしか食べられないこだわりの逸品をいただく喜びはもちろん、東伊豆のキンメダイの煮つけなど、その土地で獲れる食材を使った特別なごちそうをいただくのもうれしいもの。

 さらには、鹿児島県のざぼんラーメンや、佐賀県・武雄温泉の餃子会館のホワイト餃子など、地元の方が普段から食べているお店にお邪魔し、地元の方と膝を交えながらソウルフードを楽しむのも、旅先ならではの格別な楽しみがあります」

 名前だけを聞くとものものしく感じる「インプット奴隷合宿」に「プチ蒸発」。バタバタと観光に走り回らない贅沢な旅の在り方は、コロナ禍で旅行から遠ざかっていた人にとっては、いい“旅のリハビリ”になるかもしれない。

水野太貴さん

新刊『言語オタクが友だちに700日間語り続けて引きずり込んだ言語沼』(あさ出版)は4月7日発売(※画像クリックでAmazonの販売ページへ移動します)
【写真】世界最古の旅館で奴隷合宿トークを繰り広げる『ゆる言語学ラジオ』の2人

チャンネル登録者数18.5万人を誇るYouTubeチャンネル『ゆる言語学ラジオ』で動画を配信している「言語オタク」。新刊『言語オタクが友だちに700日間語り続けて引きずり込んだ言語沼』(あさ出版)は4月7日発売。

山崎まゆみさん

新刊『温泉ごはん 旅はおいしい!』(河出書房新社)は4月6日発売(※画像クリックでAmazonの販売ページへ移動します)

世界32か国の温泉を訪ね、日本の温泉文化の魅力を伝える温泉エッセイスト。『女将は見た 温泉旅館の表と裏』(文春文庫)など著書多数。新刊『温泉ごはん 旅はおいしい!』(河出書房新社)は4月6日発売。

<取材・文/吉信 武>