お酒やたばこのようなオールドな嗜好品が締め付けを受ける一方で、CBDやエナジードリンクはオシャレなイメージに乗ってどんどん浸透。いま嗜好品の世界にも変化の波が押し寄せていえよう。
未来予測に定評のある経済評論家、鈴木貴博さんによると、「お酒もたばこも“心のツール“といえます。もともとアッパー、つまりテンションをあげるために取っていたのがお酒、逆にリラックスや気持ちを落ち着かせるために取っていたのがたばこです。そう考えると、エナジードリンクはアッパー系でお酒の代替、CBDはリラックス系でたばこの代替と考えることができ、だから伸びてきたといえるでしょうね。もう少し言うと栄養ドリンク、コーヒー、コーラなどカフェインを含む飲み物は昔からあったが、エナジードリンクのようにその中身を濃くしたものにニーズがあったということだと思います」
では、CBDとエナジードリンクはどれだけ伸びていくのだろうか。
「お酒の小売市場規模が3兆円、たばこが2.5兆円といわれています。エナジードリンクはお酒、CBDはたばこの5%以内が成長の目安と考えています。CBDはすでに400億円ですが、大きくなって500〜1000億円くらい。たばこほどメジャーな商品にはならないが一定の支持は得そうです。またエナジードリンクはすでに800億円で、1500億円くらいまでは成長可能性はありそうです」(鈴木さん)
ある程度の成長が見込まれているCBDとエナジードリンクだが、使用にまったく心配がないというわけではない。
CBDについてはアメリカ食品医薬品局(FDA)のサイトを見ると、「CBDの使用は、特に長期的な使用において、様々な安全性の懸念を抱かせます。研究では、肝臓への害、特定の薬との相互作用、男性の生殖器官への害の可能性が示されています」(編集部日本語訳)などと掲載されている。
また、昨年12月には「FDAは、CBDの安全性に関する証拠を検討した後、どのように規制するか、そのために新たな規則や新たな立法が必要になるかどうかを数か月以内に決定する予定」と報じられた。
使用後すぐに害が見られるものではないが、長期的にはどのような影響があるかわからないということなのだろう。
またエナジードリンクについては、かねてよりカフェインが多く含まれることが指摘されている。
農林水産省のサイトでは、カフェイン過剰摂取のリスクについてこう説明している。