《あなた方との対話、話し合いで解決したかったのですが、その道をずっと閉ざされ、意見を言うと押しつぶされ、このような手段をとるまでに追い込まれました》
これは食パン専門店『乃が美』の内部事情を告発する文書の一部だ。
高級食パンブームの先駆けであり、耳まで柔らかい“生食パン”を謳い文句に人気を博した『乃が美』だが、昨年から“内紛トラブル”が勃発している。
FCオーナーたちは“自己破産する寸前”
「2022年12月に『文春オンライン』が、『乃が美』フランチャイズ(以下、FC)オーナーたちの苦境を報じました。全国に200店舗ほどある『乃が美』は、9割の店舗が赤字だというのです。これによりFCオーナーたちは売上げの10%に設定されているロイヤリティ料の支払いができず、“自己破産する寸前”であると窮状を訴えていました」(経済誌記者)
『乃が美』は2019年、投資会社『クレアシオン・キャピタル』に半分の株式を譲渡したうえで資本提携を結び、上場を目指した。その直営店は全国で14店舗のみ。新規上場のため『乃が美』はFC契約を募り、店舗出店を加速させたが、少しずつ業績は悪化していった。原因は食パンブームが去っただけでなく、コロナによる打撃も重なったため。
『週刊女性PRIME』も1月に『乃が美』のFCオーナーからその窮状を聞いていた。
「2019年ごろから売り上げが落ち込み、今も赤字を垂れ流している状態です。負債は2億円近くにまで膨れました。本部は“上場に差し障る”としてロイヤリティ料の引き下げには応じてもらえないまま。銀行からの借り入れも限界で……」(FCオーナーのひとり)
3月下旬、改めて話を聞くと“内紛トラブル”が激化していると話す。
「『文春オンライン』でも報じられましたが、今年1月に複数名のオーナーがロイヤリティ料の引き下げを求めて意見書を提出しました。すると、『乃が美』はロイヤリティの支払いが遅延していることを理由にFC契約をする6社と契約解除をしました。今は9割ほどのオーナーがロイヤリティ料の支払いができていないのに……。ただ、ロイヤリティ料の遅延はFC契約の違反に該当し、契約解除の取り消しを求める裁判をしても勝ち目はありません。みな、この先どうすればいいのかと頭を悩ませています」