日本人の死因第4位「脳梗塞」
◆B型とAB型がかかりやすい
認知症に次いで介護要因の第2位、さらに死因でも第4位でもある脳卒中(脳血管疾患)は、血管が詰まって血流が途絶える脳梗塞のケースが大半。治療法の進歩により死亡率は減っているものの、患者数は依然多い。
ワシントン大学が発表した論文によると、30~79歳の脳梗塞患者469人を調査したところ、B型とAB型は、O型の人と比較して1.59倍も脳梗塞になるリスクが高いという結果に。
「予防には、脳梗塞のリスクをあげる高血圧、糖尿病、脂質異常症のコントロールが一番。ウォーキングなどの適度な運動と、食事は動物性脂肪を控え、野菜や青魚を積極的にとるようにしましょう」
脱水を防ぐことも大切。
「1日に必要な水分量は、食事からとる分も含めて約2L。喉の渇きは自律神経が関連しており、加齢とともに喉の渇きを感じにくくなります。飲み忘れを防ぐためにも、飲み物のボトルを近くに置き、1日で飲み切ると決めて飲むといいですね。また、利尿作用のあるお茶やコーヒーはなるべく避け、水や麦茶を飲みましょう」
これからの季節は熱中症を防ぐだけでなく、脳梗塞予防の観点でも水分補給が重要だ。
高齢者の死に直結「肺炎」
◆B型が肺炎球菌に感染しやすい
細菌性肺炎の原因として最も多い肺炎球菌は、肺炎以外にも髄膜炎などの重篤な感染症を引き起こす細菌として知られる。
2000年にアメリカの赤十字血液サービスが報告した論文では、細菌やウイルス、寄生虫は、ヒトの細胞の表面にある血液型物質の種類によって異なる感受性を示し、「宿主と同じ抗原を持つ病原体は、より結合しやすく、感染しやすい」としている。肺炎球菌には、B型抗原を持つものも多く存在するため、B型の人は肺炎球菌に感染しやすく、重症化しやすいという報告もある。
また肺炎は圧倒的に高齢者に多く、しかも高齢者の肺炎は咳や発熱などの典型的な症状があまり見られず、肺炎と気づかないうちに重症化し、命にかかわることも。
「感染症対策に有効なのは、やはりワクチンです。肺炎はインフルエンザ感染後に起きることが多いので、肺炎球菌ワクチンだけでなく、必ずインフルエンザワクチンも接種しましょう」